派遣社員が抱える不安

派遣先の企業や勤務地など、自分のライフスタイルに合わせて働くことができる派遣社員。しかし、その一方で、正社員との待遇差や収入面から不満や不安を感じている人は多い。派遣社員として働くキャリコネニュース読者からは、

「将来的な不安定さ」(千葉県/50代後半/男性/年収500万円)
「収入が上がらない」(埼玉県/60代前半/男性/年収200万円)
「手当などの差が多すぎる」(愛知県/50代後半/女性/年収200万円)

といった声が寄せられている。今回は「派遣社員が感じている不満」を紹介する。(文:コティマム)

「今までもこれからも、雇用の不安を抱え続けなければいけないのか」

派遣社員の雇用契約期間は最大3年だ。また、その間も同じ職場で働き続けるには契約更新が必要だ。契約期間は3か月や半年などさまざまだが、更新のたびに「次があるのか」という懸念はついてまわる。

「年収はそれなりだが、いつクビになるかわからない。福利厚生が一切ない」(東京都/40代前半/男性/年収650万円)
「更新時期のたびに継続してもらえるか不安を抱え、もうすぐ3年の満期を迎えます。今までもこれからも、雇用の不安を抱え続けなければいけないのか。今の派遣先は雰囲気がよく、正社員との不平等もほとんどなく気に入っていただけに、あと少しで切られるかもしれないと思うととてもつらい」(大阪府/50代前半/女性/年収200万円)

派遣社員は自分に合わない職場であれば、自ら継続しない意思を伝えられるメリットがある。しかし条件や居心地がよく、ずっと働き続けたい職場だった場合、契約更新時期は毎回不安になってしまうだろう。「これから先も仕事があるか」は、精神的な安定にも関わってくる。

コロナ禍で正社員在宅勤務「派遣社員は正社員の補佐で出勤が当たり前」

新型コロナウルイスの影響から、テレワーク在宅勤務、感染防止対策などが各企業で進められている。しかし、千葉県の30代女性が「テレワーク差別」(年収250万円)と綴るように、正社員と派遣社員の待遇差を感じる場合がある。

東京都の30代女性(年収150万円)の派遣先企業では、「正社員は率先して在宅勤務にできる」という。しかし派遣社員は「在宅勤務正社員の補佐で出勤が当たり前の状況」と明かす。

「賃金の差がどのくらいあるのか、聞ける状況ではないのでなんともいえない。でも同じ部署の正社員は、年収400万円以上はもらっているように感じます」

高知県の40代女性(年収200万円)も、コロナ禍での正社員との待遇差に不満を感じている。

「派遣先でコロナ感染対策をしてもらえない。緊急事態宣言まん延防止等重点措置が出されても、大阪から平然と出張してくる元請がいる。打ち合わせ中は密になるのに、窓を閉められてしまう」

持病のある家族がいるため、女性は「感染リスクを考えると気が気ではない」と嘆く。

「この元請が来るかどうかで、毎週ヒヤヒヤさせられる。家族にコロナを感染させる危険が常にあるので、元請が来る時は給料が減ってでも休みを取るようにした」

契約更新が迫っているが、女性は「前回も嫌々更新してストレスがたまりすぎた。絶対に更新したくない」と語る。「派遣会社が無理強いしてきたら、そこも辞めようと思う」と決意は固い。

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派遣社員が抱える不安「年収はそれなりだが、いつクビになるか分からない」「正社員は在宅、派遣は出勤が当たり前」