三田りょう

 15日、FIFAワールドカップカタール2022・アジア2次予選「日本代表対キルギス代表」戦が行われるが、この日本代表と対戦する「キルギス」(正式名称:キルギス共和国・人口約650万人・首都ビシュケク)という国で、最も有名な日本人が『三田りょう』という歌手だということをご存じだろうか?

【写真】キルギス独立記念コンサートでダンサーと

 三田りょうは、1987年にデビューした34年のキャリアを誇る甘い歌声が魅力の歌手で、2000年と2006年には日本有線大賞・有線音楽賞を受賞。また、2001年にリリースした『哀愁フェリー』にちなんだ『たったひとりの哀愁フェリーキャンペーン』では、フェリーを乗り継ぎ90泊91日をかけて日本一周を達成し話題となった。

さて、その三田りょうがなぜ『キルギスで最も有名な日本人』となっているのか? だが、2012年に自身の後援者から依頼を受けるかたちで“キルギス友好イメージソング”『風の旅人』を制作。その楽曲を発表したことがきっかけとなり、翌年の2013年に初めてキルギス共和国の独立記念コンサートに招待され、観客5万人の前で同曲を披露。後に、このコンサートでの歌声に感動したキルギス人の一人がこの時の映像をYouTubeに公開すると、わずか2か月で再生回数が100万回を超え、日本語で歌われているにもかかわらず、キルギスを中心にベトナムブルガリアといった海外で、この「風の旅人」という曲が大きな反響となった。

 その翌年にもキルギス共和国独立コンサートにゲストとして招かれキルギスを訪れるが、三田りょうの出演にあたっての記者会見が行われるなど、1年経っただけで一気にキルギスの大スターとなり大きな歓迎を受けた。同コンサートでは、キルギス大統領の前で『風の旅人』を披露し集まった5万人の大観衆からうねりのような大歓声を浴び、同曲と三田りょうに対する人気がキルギスの土地で絶大なものになっていることをステージで体感したという。

 その、三田りょうにキルギスについて聞くと、「多くのキルギス人は日本人とキルギス人は兄弟だと信じています。とても人と自然が素晴らしい親日国・キルギスへ是非訪れてみてください」と語り、キルギスでの印象深いエピソードとして、「ロバに乗った遊牧民の少年が、スマホを片手に羊を追っている姿には驚きました(笑)」と、笑顔でコメントした。

 明日、6月16日には新曲『天山遥かに』が発売されるが、この曲は先に紹介したキルギスをはじめ、海外でも話題となっている『風の旅人』のアンサーソングで、ユーラシア大陸の中央に位置する山岳の国キルギス共和国を舞台にした、愛する人を迎えに行く男の旅路を歌い上げた一曲。今作に対し三田は、「イントロからキルギスへ誘ってくれる様な歌い心地の良い曲です」と、現地キルギスでも再び大きな反響となることを期待した。

 現在もキルギスとの交流は続いており、これまで12回現地を訪れるなど日本とキルギスの友好を歌で繋いでいるが、近年ではキルギス人の女性歌手・グルムさんを日本に招き、キルギスの文化とその歌声を日本に紹介している。今作のカップリング曲「空港物語」でも共演しているこのキルギス人歌手のグルムさんは、2016年春に放送された「のどじまんTHEワールド!」(日本テレビ)で優勝し、その素晴らしい歌声を記憶されている方も多いのではないだろうか?

 最後に、今夜行われるサッカー「日本代表対キルギス代表」の試合はどちらを応援しますか? という問いに、「もちろん、どちらの国も応援します!」と、サッカー両代表の活躍を期待した。

作品情報

「天山遥かに」ジャケ写

三田りょう ニューシングル「天山遥かに」
2021年6月16日(水)発売
CDS:TECA-21034 定価:1,350円+税
c/w 空港物語 Duet with グルム

天山遥かに(作詞:坂口照幸 作曲:弦 哲也 編曲:杉山ユカリ
空港物語 Duet with グルム(作詞:坂口照幸 作曲:弦 哲也 編曲:杉山ユカリ