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 ハリウッドの肉体派アクション俳優として知られるシルベスター・スタローンは、自身が書いた脚本「ロッキー」への出演によって大出世を果たした後、ランボークリフハンガーなどのアクション映画を大ヒットさせたことでも知られている。

 そんな彼には大親友と呼べる犬がいた。バッカスと名付けられたその犬は、ロッキーを生み出す前、どん底の貧乏生活をしていたスタローンを支えてきた。

 バッカスと聞いて、映画を見たことがある人ならすぐ気付くかもしれない。そう、作品中のあのバッカスは、スタローン自身の愛犬だったのだ。

 2017年、スタローンは自身のインスタグラムでバッカスにまつわる過去のエピソードをシェア。貧困ゆえに犬を売り、後に多額の金額を払って買い戻したという投稿は、大きな反響を呼んだようだ。

【極貧時代を共にした愛犬バッカス】

 70歳を超えても、鍛え上げた肉体で激しいアクションをこなす映画俳優として知られているシルベスター・スタローン(74歳)が、2017年にインスタグラム『officialslystallone』でシェアした愛犬にまつわるエピソードは、多くのユーザーらから大反響を呼んだ。

 スタローンは、1970年に俳優としてデビューするも、売れない日々が続いていたという。

 当時、ニューヨーク地下鉄の駅にある安アパートで暮らしていた26歳のスタローンは、ゴキブリが這いまわる薄汚れた部屋で空腹を抱え続けていた。

 そんなスタローンと一緒にいたのが、ブルマスチフのバッカスだ。


 バッカスも空腹に耐えながら、スタローンに寄り添い、両者はいつも互いを支え合って生きていた。
私にとって、バッカスはかけがえのない親友だった。

私がくだらない冗談を言ったり機嫌が悪かったりした時でも、彼は我慢してくれる忍耐強さを持っていた。

ありのままの私を、バッカスは愛してくれた。私たちは、24時間いつも一緒だった。



 このように、亡き愛犬への思いを綴っているスタローンは、1971年はあまりの貧困生活ゆえに、その愛犬を売って食費を得なければならない状況にまで悪化したことも明かしている。

 バッカスは、アパートの近くのコンビニの前で、40ドル(現在では約4400円)で売られた。

 この決断は、当然スタローンにとって苦渋以外の何物でもなかった。

 しかしその後、まるで映画のストーリーのような奇跡が彼の身に起こった。自らが書いた「ロッキー」の脚本が、多額で売れたのだ。

 それに主演したスタローンも、後にスターとなった。しかし、脚本が売れて真っ先に思ったのは、愛犬バッカスを買い戻すことだった。

再び一緒に生き続けたスタローンとバッカス

 スタローンは、バッカスを買った人物に連絡し、犬を買い戻したい旨を伝えた。

 すると、相手はスタローンが必死で犬を取り戻したがっていることに目を付け、15000ドル(現在では164万円)もの買取金額を要求してきた。

 それでも、スタローンはその要求に従った。バッカスを取り戻すのに、その金額を払う価値があると思ったからだ。スタローンは売れた「ロッキー」の脚本から得たお金で、バッカスを買い戻した。


 こうして、バッカスは再びスタローンと一緒に暮らせるようになった。

 どんなに仕事で忙しくても、スタローンはもう二度とバッカスを手放すことはなかった。

 後に、スタローンの大出世作となった「ロッキー」は、オスカー賞を受賞。バッカスは、スタローンハリウッドで一躍有名にしたその作品にも出演し、ロッキーの愛犬として共演を果たした。

 1981年バッカスはこの世を去った。スタローンの苦悩時代を共にし、その後の栄光の日々を支え続けた犬は、映画「ロッキー」の中でも主人公ロッキーにとって唯一無二の存在感を放っている。

 スタローンがシェアした3枚の写真には、両者の友情に感動したユーザーらから多くのコメントが寄せられた。

 バッカスの思い出を綴るスタローンは、最後にこのように締めくくっている。

彼のような犬には、二度と出会うことはできないだろう。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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