このほどアメリカで、若干10歳の少年が川で溺れている妹を救った。無事に妹の命を救うことができた少年だったが、代わりに自ら命を落としてしまったという。『USA TODAY』『People.com』などが伝えている。

サウスダコタリンカーン郡スーフォールズを流れるビッグスー川で現地時間12日、リッキー・リー・スネブ君(Ricky Lee Sneve、10)が川で溺れて亡くなってしまった。リッキー君は当時、父親のチャド・スネブさん(Chad Sneve)や他のきょうだいと共に釣りを楽しんでいた。

しかしきょうだいのうち3人が川に落ちてしまい、チャドさんが川に飛び込むと、リッキー君は3人のうちの妹シェベルちゃん(Chevelle)を助けるために川へ飛び込んだ。リッキー君は必死にシェベルちゃんを岸に戻すと、力尽きてしまったのか水の中へと沈んでしまったのだ。

チャドさんが子供2人を救った後にリッキー君の方へと目をやると、すでに姿が見えなかったという。その後、通報を受けたリンカーン郡保安官事務所では大規模な救助活動を行った。そして午後10時半頃、水中を捜索していたダイバーチームによってリッキー君は変わり果てた姿で発見された。

リッキー君の死を知った母親のニコル・ユファースさん(Nicole Eufers)は、悲しみをこらえながらも「リッキーは妹の命を救いました」と述べた。ニコルさんは現在、リッキー君を含め5人の子供をひとりで育てているが、事故が起きた日の子供達は父親であるチャドさんと一緒に過ごしていたようだ。

ニコルさんはメディアのインタビューに応じ、リッキー君について「私に人生を愛することと感謝することを教えてくれました。息子には本当に驚かされることが多かったのです」と語った。父親のチャドさんも「息子は頭が良く献身的で実直な性格でした。そしていつも誰かのために行動する子だったのです」と話している。

現在、ニコルさんの兄がクラウドファンディングサイト「GoFundMe」を通じて葬儀代などの費用を募っているが、寄付した人からはリッキー君に対して「なんて勇敢な少年だ」「それは無私無欲の行動だ」「彼は真のヒーロー」といった声が寄せられている。

画像は『Nicole Eufers 2021年6月14日付Facebook「I love you my sweet boy!!!」、2020年4月8日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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