ついに動き出した百音の夢。その水先案内人は意外にも、不愛想な医師・菅波だった――。清原果耶がヒロインを務める連続テレビ小説おかえりモネ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。6月16日放送の第23回では、百音(清原)が菅波(坂口健太郎)の助けを借りて気象の勉強に取り組み始めるエピソードが描かれた。(以下、ネタバレがあります)

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■菅波先生、百音にレクチャ

第5週「勉強はじめました」(6月14日[月]~18日[金])では、お盆休みを終えて登米に戻った百音が気象の勉強を始める様子が描かれている。

第22回で菅波に「(気象予報士試験のテキストは)少しハードルが高すぎますね。漫画とか…絵本から始めた方がいいんじゃないですか?永浦さんの場合」と言われてしまった百音。その言葉が皮肉かどうかはさておき、百音は本当に、天気の仕組みについてやさしく描かれた絵本からはじめの一歩を踏み出した。

一方で森林組合の仕事では、よく晴れているにもかかわらず職人のクマさん(山本亨)が「あそこは谷が近い。昼には雨が降り出す」と言ったり、「山の雲は、下からくるんだ」となぞなぞのような言葉を口にしたり、百音の中で気象に対する謎は深まるばかり。

気象の世界の入り口でまごつく百音を導いたのは、意外にも菅波だった。素直に絵本から始めた百音を見直したのか、もともと教えるのが好きなタチなのか、絵本の内容も理解できずにいる百音に「どうでしたか?」と感想を聞き、困っているとわかると雨が降る仕組みを説明し始めた。

■菅波が笑った…ささやかな感動を共有した瞬間

菅波はここまで、不愛想で百音に冷めた視線を向ける人物として描かれてきた。

第10回では、小学生向けの林業の体験学習の最中に山の中で雷雨に遭った百音を助けたものの、すべて終わった後には「ちゃんとプロになってください」「正式採用になったんですよね?森林組合。それでまだ何か見つけたいとか、ここの人たちに失礼です」と厳しくダメ出し。気仙沼に帰ろうと説得しに来た父・耕治(内野聖陽)に「夢中になれるものを見つけたい」と訴えた場面も見ていて「甘えてますよ」と辛らつな言葉を投げかけた。

そんな菅波だから、子ども向けに書かれた絵本の内容すら呑み込めずにいる百音に手を差し伸べる姿には驚かされた。その表情は穏やかで、氷を入れたコップに水滴がついていく様子から雨の原理を説明する場面では、「あぁ…」と納得した様子の百音を見て笑顔も見せた。それは、まったくかみ合わなかった2人が同じものを見てささやかな感動を共有した、特別な瞬間だった。

百音にとって、気象予報士試験の勉強は長く厳しい道のりとなりそうだ。菅波がその案内役となってくれるのであれば、これほど心強いことはない。一方菅波も「次回は、雲ができる仕組みについて考えましょう」と“予告”するなど、どこか楽しそうですらある。少なくとも、今回のレクチャーが1回きりの気まぐれで終わるわけではなさそうだ。

“勉強”という意外な要素を通して突如、距離を縮めた2人。視聴者からも「菅波先生、バカにせずきちんと教えてあげてなんだか印象変わった」「誠実な人柄、すごく好感が持てる」「こんなにわかりやすく教えてくれる先生が現れるなんて!」の声が上がった。

2人の関係が今後どう発展していくのかは未知数だがまずは、夢の入り口に立った百音とその案内役として、新たな関係を結んだ2人に注目したい。(文=ザテレビジョンドラマ部)

「おかえりモネ」第7回より/(C)NHK