多くの鉱物が眠るアフリカ大陸。特に南アフリカ1867年に北ケープ州のキンバリーでダイヤモンドが発見され、世界有数のダイヤモンド産出国となった。そんな南アフリカのある小さな村で、透明の石が発見されたという情報が駆け巡った。これにより瞬く間に1000人以上が同地に集まり、村は一躍「ダイヤモンドラッシュ」の地となったが、果たして発見されたのは本当に人生を変える石なのか。『TimesLIVE』などが伝えている。

6月のある日、南アフリカのクワズール・ナタール州にあるKwaHlathiという小さな村で、地面に穴を掘った男性が水晶と思われる鉱物を見つけたとソーシャルメディアに投稿した。すると我も我もと南アフリカ中から人が集まった。さらにその石はダイヤモンドだという不確定な情報まで広がり、あっという間に1000人以上が一攫千金を求めて村に殺到した。

27歳で2児の父親だという男性は、小さな鉱物と思われるものを手のひらいっぱいに持ち「この鉱石を家に持ち帰ったら、家族は大喜びだよ。人生を変える石だ」と興奮して述べている。また無職の男性は「人生で初めてダイヤモンドに触った」と語った。さらには何の石かも分からないうちに、掘り出した石を売り出す人まで現れた。

近くに住む女性は「古くから薬として伝わるものを掘り起こしに行った男性が、透明の石を発見した」という話を6月11日の朝に聞いて、家族全員でその場所に向かったが、すでに多くの人が土を掘り返していたそうだ。4人の子供を持つ57歳のこの女性は一日中掘り続けて疲れ果てたことから、改めて夜になってから掘ることに決めたという。「夜でも見えるし、昼よりも暑くない。子供は学校から帰ってきているし、一緒にできるから発掘に最適」とのことだ。彼女はすでにその石を売ったそうだが、値段は明らかにしていない。

見渡す限り人で埋め尽くされたこの場所に、マスク着用ルールを守っている人はほとんどおらず、酒を飲んでリラックスしている人も多い。さらには食べ物や飲み物を売り始める人まで出てきた。

クワズール・ナタール州政府は違法採掘について、人が密集するためコロナ規制の違反対象になると警告し採掘を中止して立ち退くように求めている。また鉱物資源省は、サンプルを収集して分析を行うため地質学と鉱業の専門家で構成されるチームを現場に派遣すると述べた。後日正式なレポートが報告される予定というが、「そんな結果を待つ意味もない」と相変わらず道路には車の長い列ができ、続々と現れる老若男女があらゆる道具を使って掘り続けているようだ。14日の時点でも人が減る気配はなく、鉱物資源省の言う調査チームが来た気配もないとのこと。果たしてこのガラスのような石が、無職で貧しい人の多いこの地域を救うのだろうか。

画像は『TimesLIVE 2021年6月15日付「Dreams of easier life as ‘diamond rush’ grips KZN after discovery of unidentified stones」(Image: REUTERS/Siphiwe Sibeko)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN

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