ひと言に「社会の厳しさ」と言っても、どのようなシチュエーションで厳しさを痛感するかは人それぞれ。思いもよらぬ場所で、社会の厳しさを突きつけられた経験のある人も少なくないだろう。

現在ツイッター上では、「予想外の厳しさ」を秘めた自動販売機が注目を集めている。


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■これはまさに「混ぜるな危険」

話題となっているのは、ツイッターユーザー・KITさん★街乗りMTBおじさんが15日に投稿した一件のツイート

投稿には街中で見かける何の変哲もない自販機の写真が添えられているのだが、ツイート本文には「緊張感漂う自販機の釣銭返却口」というなんとも物々しい一文が。

そう、こちらの自販機は釣り銭返却口の真下に「排水溝」が来るような位置に設置されていたのだ。


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■排水溝が「魔獣」に変わる瞬間

何の変哲もない排水溝も、自販機の真下にあるとなれば話は別。万が一、釣り銭を取り落としてしまった際には、小銭が汚水の中にダイブしてしまう…という凄まじいプレッシャーを放ち始めるのだ。

自販機(画像提供:KITさん★街乗りMTBおじさん)

緊張感漂う光景を受け、他のユーザーからは「自分なら緊張に負けてお釣り落とすと思う」「まさに負けられない戦い」「絶妙な位置にあるのが本当にズルいわ」「もうこれ賽銭箱だろ…」といった反響の声が続出。同ツイートは投稿からわずか数日足らずで、1.6万件以上ものRTを記録している。

また、寄せられたリプライの中には「子供の頃、よくこういう排水溝漁ってたわ」「小学生時代、排水溝で拾ったお金で駄菓子買ってた(笑)」などの体験談も少なくなく、小銭ハンターの間では有名なポジションでもあるようだ。

そこで今回は件のツイート主であるKITさん及び、自販機の運営・管理を行なう「株式会社ユカ」の営業担当者に取材を敢行。自販機の釣り銭事情をめぐる、興味深い事実が明らかになった。

■突如勃発した心理戦

自販機(画像提供:KITさん★街乗りMTBおじさん)

通勤途中、神奈川県平塚市の某所にて件の自販機を発見したというKITさん

当初は自販機本体に大きく表示されている「80円」の缶コーヒーにしか注目しておらず、百円玉を投入してコーヒーを買い、釣り銭を取ろうとしたタイミングで初めて排水溝に気付いたという。

思わず「うわ! なにこの排水溝!? 怖!」とパニクってしまうも、その後は突然発生した心理戦を制し、落下させることなく無事に釣り銭を取り出すことに成功。「めっちゃ緊張しました」「眠気覚ましのコーヒーを飲む前に目が冴えてしまいました(笑)」と、当時の心境を振り返ってくれた。


■自販機管理会社の反応は…

自販機の釣り銭返却口付近に排水溝が口を開けている…という緊張感高まるシチュエーション。果たしてこういった立地条件にある自販機及び、ユーザーを救出する手立てはないのだろうか。

そこで「株式会社ユカ」の担当者に今回のケースについて聞いてみると「自販機を設置できる場所というのは限られているため、排水溝が真下に来てしまうといったケースも少なくありません」という回答が。

止むを得ずにそうした場所に自販機を設置する際は、排水溝の部分に「ネットをかける」といった対策を講じているそうで「十円玉ならまだ諦めがつきますが、五百円玉なんかを落としたら…と考えると、やはり怖いですからね」と、利用者目線に立ったコメントを見せてくれた。

街中の排水溝にネットが張られていたら、それはひょっとしたら付近の自販機を使用する人々に向けた配慮なのかもしれない。

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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ

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