非常識な行為をした動画がSNS上で出回り、逮捕に至るケースは日本でもあるが、海外ではバイクで危険な運転をした動画がネット上で出回ったことで逮捕された男女がいる。

 マレーシア・ジョホール州で、21歳の女と16歳の少年がバイクの前輪を浮かせた状態で公道を走り、その動画が拡散されて逮捕に至ったと海外ニュースサイト『New Straits Times』と『The Star』が5月22日までに報じた。

 報道によると、女は少年をバイクの後ろに乗せ、同州にある公道をウィリーという方法で走行していたという。ウィリーとは、前輪を地面から上げた状態で後輪だけで運転する走行技術のことをいう。女と少年がウィリー走行でバイクを運転している様子を何者かが撮影してSNSに投稿し、動画が拡散された。女らが撮影を頼んだのかなど、女らと撮影者の関係は不明である。女らがウィリー走行でバイクを運転していた公道は、ショッピング施設やナイトクラブなどが立ち並ぶ、同地区の主要な大通りとして知られている。動画は現在削除されているが、31秒ほどの長さだったそうだ。再生回数の数など、具体的に動画がどれほど拡散されたのかは明かされていない。

 動画が拡散され、警察も動画を目にすることになり、警察は女と少年の身元を確認すべく捜査を開始した。警察が捜査を開始してから約2時間後、女と少年は危険な方法で公道を運転した罪で逮捕された。女と少年が乗っていたバイクも押収された。幸いにも被害者はいなかった。

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 『New Straits Times』は、拡散された動画のキャプチャ画像を公開しているが、バイクは原付バイクのようなもので、写真には女が少年をバイクの後ろに乗せ、バイクの前輪を地面から60度ほど上げた状態で運転している様子が写っている。バイクが2人乗りであるのかどうかは不明であるが、少年はバイクの後ろの荷台のような場所ギリギリの部分に座り、両手で女の腰を持つようにして座っている。女と少年はヘルメットをかぶっている。画像は斜め後ろから撮影されたもので、女と少年の表情は見て取れない。画像の中では周りに走行中の車などは写っていない。なお、女と少年が動画を撮影されていることを知っていたのかどうかは不明である。

 『New Straits Times』によると、女には最大で5年以下の刑務所行きと1万5000 リンギット以下(約40万円)の罰金が科される可能性があり、少年が免許を取得していたのかは不明だが、少年が免許を持っていた場合、女と少年は最低5年間、免許を取り消される可能性があるそうだ。なお、動画の撮影者に罰が科されたなどの情報はない。

 このニュースが世界に広がると、ネット上では「道でこんな行為をするなんて危険すぎる。事故になっていたら大変なことになるし周りも迷惑」「女と少年は動画の撮影を了承していたのかどうかは分からないけど、悪いことをしたら今の時代、すぐに特定される。これからもやる可能性もあっただろうし逮捕されて本当によかった」「逮捕までが早い。どういう方法で警察が捜査をしたのかは分からないけど、SNSに不適切な動画が流れたらすぐに捕まるということ。馬鹿な真似はしない方がいい」などの声が挙がっていた。

 女と少年が動画に投稿されることを予期していたかどうかは不明だが、近年はSNSで動画が広がれば簡単に特定される可能性がある。そうでなくとも、そもそも周りに迷惑をかける恐れのある危険な行為はすべきではない。

記事内の引用について
「Woman and teen nabbed after caught-on-camera wheelie act goes viral」(New Straits Times)より
https://www.nst.com.my/news/nation/2021/05/692142/woman-and-teen-nabbed-after-caught-camera-wheelie-act-goes-viral
「Viral video leads to female wheelie rider, pillion's arrest in Batu Pahat」(The Star)より
https://www.thestar.com.my/news/nation/2021/05/22/viral-video-leads-to-female-wheelie-rider-pillion039s-arrest-in-batu-pahat

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