「詐欺飛び」、「F式」、「投げシケ狩り」──コアゲーマーの激しいやり込みによって日々さまざまな技術が発明される格闘ゲームの世界。eスポーツの試合や実況配信を前に、飛び交う専門用語がまるで異世界の言葉のように感じられる人も少なくないだろう。そうした際に重宝するオンライン辞典『The Fighting Game Glossary』インターネット上で無料公開されている。

 『The Fighting Game Glossary』は格闘ゲームに特化した英語版オンライン用語辞典。ハード格闘ゲームファンであり、過去にはキラーインスティンクト』シリーズの詳細なガイドページを自主制作した経験を持つInfil氏を中心に、10名ほどの有志で制作されている。2020年8月に開始された本プロジェクトは、およそ9ヵ月の制作期間を経て2021年5月に公開されたばかりだ。

(画像はInfil氏Twitterより)

 本辞典にはストリートファイターザ・キング・オブ・ファイターズをはじめとする計14のゲームシリーズをまとめた、650語以上の用語と200本以上の動画解説が収録されており、各単語の英和翻訳も数多く掲載されている。

 たとえば、冒頭でも例にあげた「投げシケ狩り」については、「Tricking someone into thinking you’re going to throw them by walking close, and then, at the last second, walking backwards out of range so they whiff a throw tech attempt like a dummy.(相手に接近し投げ技を繰り出すと見せかけ、直前で間合いの後ろに下がり敵の空振りを誘うトリック」と解説。

 このほかにも代表的テクニック「当て」「こすり連打」をはじめ、「ガー困」などのマニアックな言葉も多数網羅している。また、解説文の中に登場する別の用語をその場で確認できるリンク機能も備えていて、利便性の面でも優れた作りだ。

(画像はInfil氏Twitterより)
(画像はInfil氏Twitterより)

 誰にでもアクセス可能なこのデータベースは、格闘ゲームコミュニティで広く愛されるだけでなく、敷居の高さを感じて踏み出せずにいた潜在的なファンの背中も後押しすることとなるだろう。発起人のInfil氏は本プロジェクトに関して、「用語の並び順やゲームシリーズごとの検索も可能なこの辞典を、仲間や友人とシェアして役立ててほしい」Twitterで述べている。

 和訳を担当したのはYouTube格闘ゲームビデオクリップを投稿し、ゲームアプリの開発も手がけているHiFight氏。また、英語ネイティブゲーマーRyan Harvey氏も翻訳に協力している。

 ウェブサイトによると、『The Fighting Game Glossary』は今後もユーザーのフィードバックを取り入れながら随時更新が行われる予定だ。なお、同サイト上ではプロジェクトの運営資金を募るドネーションを受け付けている。

ライターdashimaru

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フリーランスの翻訳者を経て、2021年6月より編集アシスタントとして加入。京都の町屋で猫と暮らしています。