全国各地で発生中のゴミ不法投棄問題。しらべぇ編集部は、これまでにバーベキューやり逃げ山頂での焚き逃げなどを取材してきた。今度は、茨城県内の漁港で、不法投棄されたゴミへの放火事案が発生。周辺住民から詳しく話を聞いた。


■一歩間違えば大惨事

北茨城市消防本部によると、14日午後11時55分に茨城県北茨城市平潟漁港のテトラポットで火災が発生。消防車両3台が出動し、午前0時52分に鎮火したという。幸いけが人はいなかった。

ゴミ(写真提供:大津港 戦う人)

現場のすぐ前には倉庫があるが、その場所を借りている勝山優美氏は「現場は10年以上不法投棄のスポットになっている。出火場所には油がまかれており、一歩間違えば大惨事になっていた」と憤る。


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■約1トンのゴミ

勝山氏は消防と警察の現場検証後、テトラポット周辺の片付けを16日午後0時半頃から自主的に実施。最初は一人だったが、漁港関係者や近くの工務店従業員もその輪に加わり、計15人で午後4時頃まで行ったという。

ゴミ(写真提供:勝山優美氏)

すると、ソファーやベビーベット、便器、酒の瓶・缶、生ゴミなど、写真には写っていないものも含めて約1トンのゴミがでてきたそうだ。


■立て看板や防犯カメラ設置要望

事前に北茨城市役所に連絡していたため、ゴミは市役所で引き取ってくれたという。勝山氏はボランティアで猫の保護活動も行っているため、毎日漁港周辺をパトロールしている。「この惨状はあまりにもひどい。行政には立て看板や防犯カメラ設置をお願いしたい」と話す。

ゴミ(写真提供:大津港 戦う人)

■市内のあちこちで同じ現象

この現象は、市内のあちこちの漁港周辺などで起きているという。環境問題に取り組む「大津港 戦う人」は、大津港周辺のゴミ自主回収を定期的に実施。全国各地からボランティアも駆けつけてくれているそうだ。


■すぐにゴミがたまる悪循環

このような状態を行政はどう考えているのだろうか。北茨城市役所の担当者に、平潟港に1枚も注意喚起の看板が立っていないことについて問うと、「漁港の管轄はあくまで県。市民から今回要望が寄せられたので、設置する方向で進めている」と語った。

漁港を管理する茨城県水産振興課漁港グループは、取材に対して「各漁港にはグループがあり、定期的に清掃を行っているが、すぐにゴミがたまる悪循環となっている。県としても注意喚起の看板を今後設置する」と述べた。

しかし、周辺からは「平潟港については、ここ2年清掃する姿をみたことがない」といった指摘が。また、「茨城県の行政は何をするにも遅いし、やる気がみられない」といった厳しい声があがっている。

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(取材・文/しらべぇ編集部・おのっち

漁港に約1トンのゴミ不法投棄で住民が怒り 捨てたゴミ放火の疑いも浮上