富山市役所外観(写真提供:富山市

富山市は18日、市内の小中学校保育園の児童・生徒、教職員あわせて計970人が下痢や発熱、腹痛などで欠席・早退したと発表。しらべぇ取材班は、保健所にその原因などについて詳しく聞いた。


■牛乳業者に立ち入り調査

富山市保健所が、食中毒が発生している学校・保育園で提供されたすべての献立を調査。すると、発生している場所で共通して出されたものが、牛乳しかないことを発見した。

そのため、17日この牛乳を提供した内田乳業(富山市)に約3時間立ち入り検査を実施。製造工程の調査や社長への聞き取りを行った。

この検査では、明らかな工程の不備などは見つからなかったという。そのため、各学校で保存していた当日出された牛乳を、国の研究機関や外部の業者に委託し調査中。結果がでるまでに3日から4日間かかるという。


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■毒素は残ってしまう

担当者は「今のところ、黄色ブドウ球菌による毒素が食中毒の原因になった可能性が考えられる」と話す。また、「何らかの影響で黄色ブドウ球菌が混入した場合、菌事態は熱処理すれば死滅する。しかし、そこから出された毒素は残ってしまう」と語った。

「正式な検査結果がでるのを待つと、被害が拡大する可能性があるので、業者に対して行政処分を先行して実施することを検討中」と述べた。

■汚染させないことが大事

内閣府食品安全委員会は、「黄色ブドウ球菌自体の耐熱性は高くないものの、産出される毒素(エンテロトキシン)は耐熱性が高く、100℃20分の熱処理でも分解されない。したがって黄色ブドウ球菌に食品を汚染させないことが大事」と注意喚起。

黄色ブドウ球菌(写真提供:東京都健康安全研究センター

そのために、「(1)手指の洗浄・消毒を十分に行う(2)食品は10℃以下で保存し、菌が増えるのを防ぐ(3)調理にあたっては、帽子やマスクを着用する」ことなどを推奨している。


■給食で牛乳ストップ中

富山市教育委員会では食中毒が発生した学校の給食で、現在牛乳を提供することを中止している。市内の計3業者が、給食の牛乳を納入しているが、当該業者は約4千本を担当していたため、この本数をほかの業者に振り分けることはなかなか難しいという。

そのため、来週からはほかのドリンクを提供できないか現在調整中だ。学校保健課は「特に小学生がこの件で、牛乳に対して恐怖感を抱いてしまうことを懸念している。そのためのアフターフォローも続けていきたい」と述べた。

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(取材・文/しらべぇ編集部・おのっち

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