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 通常のヤスデ種の場合、その足の数は80~100本程度と言われているが、米カリフォルニア州北部シリコンバレー郊外で、750本もの足を持つヤスデの生きた個体が確認された。

 発見したのはアリゾナ大学の昆虫学者ポール・マレク氏で、このヤスデは体長3cm程度のギボシヤスデの一種で、名前のイラクメ・プレニペス(Illacme plenipes)は「究極の数の足を持つもの」という意味だ。1928年に初めて発見されたが、その後は報告がなく、既に絶滅したと考えられていた。

 マレク氏の研究チームは収集と分析を続け、このたび初めて詳細な学術報告をまとめた。かなり特徴的な生態が明らかになったという。 メスは最大で750本の足を持ち、550本以上のオスも確認されている。また、背中を覆う長い体毛から絹状の糸を紡ぎ、自身の“衣服”を作るという。

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 マレク氏は、「その筋の研究者にとって、イラクメ・プレニペスは“伝説のヤスデ”だった」と振り返る。 2005年当時、博士課程の学生だったマレク氏は心を奪われ、サンフランシスコ郊外の霧深い地域7.3平方キロで捜索を開始。

 およそ3年かけて、同氏のチームは17匹を見つけ出した。いずれも巨大な砂岩にしがみ付いていたという。コレクションを増やすこともできたが、野生個体が完全に失われてしまう恐れを考え、2007年に収集活動を終了している。

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 穴を掘って地中で暮らすヤスデは、足の一本一本に鉤ツメが発達している。「イラクメ・プレニペスもこの鉤ツメを利用して地中の岩石にしがみ付くのだろう」とマレク氏は述べる。

「また、体の割に触角が大きく、暗闇でも進む道を認識できる。半透明でギザギザの体も特徴的だ。体毛から作り出される絹状の糸は、岩石の下面に付着する際に役立つと考えられる。さらに、ほかのヤスデの口の形と異なり、植物組織を刺し通し、吸引できる特殊な構造に発達している」。

 今回の研究成果は、オンラインジャーナル「ZooKeys」に11月14日付けで掲載されている。

via:dailymail

 
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