日本地下鉄協会がまとめた令和2年度の全国の地下鉄事業者10社局の輸送人員(速報)は42億4438万人にとどまり、前期比31.7%減と大きく落ち込んだ。集計対象は、東京メトロ大阪メトロOsaka Metro)の民間2社と札幌市仙台市東京都横浜市名古屋市京都市神戸市福岡市の各公営地下鉄8局。

令和元年度の62億1398万人に比べ19億6953万人減少し、平成27年度以降の6年間で最低。新型コロナの影響を大きく受けた。定期旅客は24億4573万人で26.3%減、定期外旅客は17億9864万人で37.9%減。JRや私鉄などと同じく、きっぷやICカードで乗車する定期外の方が10ポイント程度落ち込みが大きい。

月別の対前年同月比で最低は、最初の緊急事態宣言の2020年5月の48.7%減、最高はコロナ禍が一巡した2021年3月の9.6%減。コロナがいったん収束に向かい始めた、2020年10月には23.5%減と下げ止まり傾向が示されたが、その後の感染再拡大で再び悪化した。

日本地下鉄協会の資料には、事業者個別のデータはないが、民間2社の発表では東京メトロは34.2%減(定期29.8%減、定期外40.3%減)、大阪メトロは28.5%減(定期16.1%減、定期外34.8%減)だった。

文:上里夏生
イラスト:しろくま工作室 / PIXTA