アメリカで、溺れそうになっている子鹿を発見した犬が、咄嗟に湖に飛び込み、子鹿を救出した。とても心温まる話だが、それだけでは終わらなかった。
その翌日、助けた子鹿が母鹿と一緒に犬に会いにやってきたのだ。もしかしたら感謝の気持ちを伝えたかったのかもしれない。
感動した犬の飼い主はこの出来事をFacebookに投稿したところ、多くのユーザーらから感動の声が寄せられた。
6月2日、アメリカ・バージニア州カルぺパ郡に住むラルフ・ドーンさん(62歳)は、飼い犬でゴールデンドゥードル(ゴールデンレトリバーとプードルのミックス犬)のハーレー(6歳)と散歩に出かけていた。
するとハーレーが突然走り出した。ハーレーにやっと追いついたドーンさんはそこで事態を把握する。湖で小鹿が溺れそうになっているのに気づき、咄嗟に助け出そうとしていたのだ。
生後数日と思われる小さな子鹿は岸から60メートルほど離れた場所で、首から下は完全に水に浸かり、自力ではどうすることもできない様子だったという。
ハーレーは子鹿の窮地を察知し、すでに湖へと飛び込んでいた。ドーンさんが見守る中、ハーレーは子鹿を懸命に岸まで誘導しながら一緒に泳いだ。
その間ハーレーは、ずっと小鹿のそばをはなれなかった。
岸に着くと、ハーレーは鼻を使って子鹿の体を押し上げ、落ち着かせるように体を舐め続けた。
ドーンさんは、この出来事をFacebookでシェアし、このように綴った。
ハーレーは、子鹿と離れたがらない様子でした。でも、私は子鹿の母親が姿を現したのを見て、ハーレーを連れて子鹿から離れました。母鹿は、私たちが子鹿のそばから離れたことを知り安堵したのか、やがて子鹿を連れて森へ去って行きました。
翌日、小鹿と母鹿がハーレーの元へやってくる
ハーレーのおかげで、子鹿は寸でのところで命を救われたようだ。そして翌日、おとぎ話のような出来事が待っていた。翌朝、妻のパトリシア(64歳)とコーヒーを飲んでいた時、ハーレーは落ち着かない素振りを見せ始め、家の窓から窓へ移動して外を見ていました。私がハーレーを玄関から外に出すと、子鹿の鳴き声が聞こえました。昨日ハーレーが助けた子鹿が母親を伴ってやってきたのです。
鹿の親子は木々の間にいましたが、ハーレーの姿を見ると近寄ってきました。ハーレーと子鹿は、互いの尻尾をひとしきり振り合った後、においを嗅ぐために鼻を近づけ合い、ひとときの触れ合いを過ごしていました。
それ以降、ドーンさんは目の前から再び去って行った子鹿と母鹿の姿を見かけることはないそうだ。
もしかしたら、この日子鹿と母鹿は助けてくれたお礼を言うために、ハーレーのいるところまで来たのかもしれない。
その後のメディア取材で、ドーンさんは愛犬ハーレーについて次のように話している。
ハーレーは、とにかく優しくて素晴らしい犬です。いつも子供たちや他の動物たちが大好きなハーレーは、セラピー犬としての資格を持っていて、普段老人ホームを訪問したり、地元の図書館で子供たちの読み聞かせをする時には、いつも傍に寄り添って過ごしたりしています。やさしい心を持ったハーレーは、子鹿の危機一髪の事態もすぐに察して、迅速に助けの手を差し伸べる機敏さも備えていたのだろう。
この投稿がシェアされると、多くのユーザーらからは感動の声が寄せられた。
こんなに大きな反響があると思っていなかったドーンさんは、多くの人たちのハーレーへの温かいコメントに感謝の気持ちを述べると共に、「この出来事がみなさんの心を動かしたと知って、嬉しい気持ちでいっぱい」と喜びを露わにしている。
Top image:Ralph Dorn/Facebook / written by Scarlet / edited by parumo
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