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インド北部を西から東に流れるガンジス川を船で下っていた男性が、浮いていた木箱の中から赤ちゃんを発見した。赤ちゃんは生後3週間の女の子で、健康には問題がないという。『New York Post』などが伝えている。

印北部ウッタル・プラデーシュ州を流れるガンジス川で今月16日、川を下っていたグル・チャウダリーさん(Gullu Chaudhary)が川岸近くに漂う木箱を発見した。辺りには赤ちゃんの泣き声が響いており、船から飛び降りたグルさんが木箱を開けると裸の女児が横たわっていた。

木箱の中には赤い布が敷かれ、女児は赤に金の刺繍が入った「ドゥパッタ」と呼ばれるスカーフで身体を巻かれていた。また木箱にはヒンドゥー教徒が崇拝する神々の絵が張られており、一緒に入っていた「ホロスコープ(占星術のチャート)」には女児が生まれた日にちと時間、名前が“ガンガー(Ganga)”であることが記されていた。

ヒンドゥー教の神話でガンガーとは、ガンジス川ガンガー)を神格化した女神を意味し、ヒンドゥー教を信仰する人たちはガンジス川で沐浴すれば罪が清められると信じているという。

グルさんは発見当時のことについて「川岸にいた人たちは女児の泣き声を聞いていながら何の行動も起こさなかった。だから僕が助けたんだ」と明かしており、ウッタル・プラデーシュ州のヨギ・アディツアナス首相は、グルさんに家や給付金などの報酬を与えることを約束した。

発見当時に生後22日だった女児の健康状態は良好で、しばらくは病院の監視下に置かれ、その後は州のソーシャルケアサービスが面倒を見るそうだ。

なお当局は、女児がなぜ川に放置されたのか、また両親は誰なのかなどについても調べを進めているが、一部メディアは「赤ちゃんは男児でなかったために捨てられたのでは?」と伝えている。インドでは金銭的な負担となる女児より、稼ぎ手となる男児を好む傾向が顕著で、女児を違法に人工中絶したり育児放棄するケースが急増しているという。ある統計によると、インドでは性別選択(性差別)により5歳以下の女児が1年間で約24万人も“消失している”と推定しており、男児偏重の風潮が社会問題となっている。

ちなみにインド北部の小さな村では昨年5月、生後1日の男の赤ちゃんが乾いた泥の中に生き埋めにされているのが発見された。赤ちゃんはへその緒がきちんと切断されておらず、非嫡出子だった可能性が高いという。

画像は『New York Post 2021年6月17日付「Newborn baby found floating in box in Ganges river: report」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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