―[貧困東大生・布施川天馬]―


 現役東大生の布施川天馬と申します。学生生活の傍ら、ライターとして受験に関する情報発信などをしています。

◆成績が上がらない原因は「努力不足」とは限らない

 皆さんは思うように物事を進めることができなかったという経験はあるでしょうか?

「〇時間も勉強したのに、全然成績が上がらない」「自分のほうが経験値は上のはずなのに、新人のほうがずっと結果を出している」というような経験はとても悔しいものだと思います。

 これらは実は努力不足が原因ではありません。自分の性格にまったく合っていない方向性の努力をしようとして頑張ってしまっていることが原因であるケースがあるのです。

受験生時代にやってしまっていた大きなミス

 僕にも努力したのになかなか結果が伴わず、苦しい思いをした経験があります。

 受験勉強を始めたての頃、「自分で決めた一日のノルマは絶対に守らなくては」と強く考えていたことがありました。

 勉強に飽きてしまったあとにもダラダラと机の前に座り続けて、ただ時間を浪費するだけというような勉強をしていたのです。当然、これでは成績が伸びるはずもありません。

 しかし、あるとき、数学を勉強している最中に大変なことに気付づきました。

◆数学は「帳尻」さえ合えばいい

 それは「数学は最終的に帳尻があっていれば、途中の数式がどんなにアクロバティックに変形していようとも、別に関係ない」という事実でした。

 たとえば、「114-26=88」という式があったとします。

 もちろんこれを筆算などで真っ向から立ち向かってもいいのですが、最終的な答えの「88」だけあっていれば、別にこれを(100+14)-(14+12)としようが114-20-6としようが、過程はどうでもよいのです。

◆勉強の効率が激変したきっかけ

 この考え方は数学どころか算数においても基本的だといえます。

 ですが、この考えのおかげで僕は「一日のノルマではなく、毎週のノルマを決めて、最終的にその帳尻さえあっていれば、それぞれの日に何をしていようがどうでもいいのではないか?」と気づくことができたのでした。

 このときから僕は「もう今日は無理だな」と思ったら、サッサと切り上げて家に帰って休むようになりました。

 その日の残りのノルマについては、次の日などに振り替えて対応しました。そして、調子のいい日には、ノルマよりも余分に勉強をして、余裕を持たせるということをしました。

 その後、僕の勉強の効率は格段に上がり、みるみるうちに成績が上がっていきました。

◆努力が報われるために必要なこと

 このように人にはその人にあった形の努力の形というものがあるものです。

 ある人は辛抱強く一日ごとに積み重ねていくことが好きということがあるかもしれませんが、僕のように気分でその日にできるかできないかが大きく左右されるという人もいるでしょう。

 ですから、その人の気性にあった形の努力を行うということが、「報われる努力」をするうえで一番大切なことなのです。

◆自分自身の性格を知ることの重要性

 そのためには、まず自分がどのような性格をしているのかキッチリと把握しなければなりません。

 僕は先述の出来事にあたるまでは「自分は一本気で辛抱強い」と考えていたのですが、この一件以降は「自分はいろいろなことに目移りするタイプだ」と考えるようになりました。

 誤った方向の努力をしていたのは、自分自身の性格が把握できていなかったからこそ起きたミスマッチの結果なのです。

◆『ドラゴン桜』にも登場した「性格分析」

 先週、放送の日曜劇場『ドラゴン桜』でも「FFS性格診断」というテストを行うシーンがありました。

 気になる本が何冊かあったとき、「同時並行でいろいろ読む」「読み終わってから次の本を読む」のどちらに当てはまるかで、性格のタイプが分かれるというのです。

 前者の場合は「拡散型」といい、興味を持ったらすぐ行動に移すようなタイプで行動力に優れるが、飽きっぽい。

 後者の場合は「保全型」といい、ひとつの物事にじっくり腰を据えて取り組み、自信を積み重ねていくタイプだが、腰が重い。

 このようにまったく真逆のタイプであることがわかります

◆成績が伸びなかったのは「明確な理由」

 ちなみに僕は拡散型タイプだったのですが、成績が伸びなかった頃に行っていた勉強法はまさに保全型タイプのものでした。

 まったく自分に合っていない方法で勉強をしてしまっていたわけです。

 努力していたのに成績が伸びなかったのにも納得させられました。

◆努力しても100%報われるわけではないが…

 最近だと「努力しても必ず報われるわけではない」という考え方が段々と浸透してきている気がしますが、僕は「自分の性格に合った形の努力をしなければ、伸びるものも伸びない」という考えが適切かと考えています。

 努力しても100%結果が返ってくるわけではありませんが、まず努力をしなければ報われるはずもありません。

 ですから、「努力をしても報われないなら努力なんてしなくていい」ではなく、「正しい方法で努力して、行った努力がなるべく報われるような結果を出す」という考え方がもっと広まってほしいと思います。

◆自身の性格を知る手段はひとつではない

ドラゴン桜』で紹介された本の読み方を通じた性格診断も手軽で有効ですし、もっと詳しく知りたいという方は書籍やウェブサイトなどを利用してみるのもおすすめです。

「努力したのに結果が出なかった!」と悔しい思いをしたことがある方は、もっと自分に合った努力の方法がないかどうか、探って考えてみてはいかがでしょうか?

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』が発売中(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa

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