アメリカの学校では、生徒や保護者のために卒業アルバムのような「イヤーブック(Yearbook)」が毎年作られる。このアルバムは生徒たちが学校で過ごした数々の思い出が詰まった1冊になるが、ある学校のイヤーブックに掲載されたチアリーディングチームの集合写真に、ダウン症の女子生徒だけ写っていなかったことで同校に対して非難の声があがった。『New York Post』『The Salt Lake Tribune』などが伝えている。

米ユタ州の「ショアライン中学校(Shoreline Junior High School)」で2020~2021年版のイヤーブックが制作され、生徒やその家族に渡された。生徒にとってイヤーブックに掲載された自分の写真を見ることは楽しみの一つでもあるが、同校に通うモーギン・アーノルドさん(Morgyn Arnold、14)の家族はこのイヤーブックに憤慨したという。

モーギンさんはダウン症を患っているが、学校ではチアリーディングチームのマネージャーとしてメンバーを支え、良い関係を築いてきたそうだ。しかしイヤーブックに載せられたチアリーディングチームの集合写真にモーギンさんの姿はなかった。

実は学校で、モーギンさんが写ったものと大会などの告知用として選手だけのものと2パターンの集合写真を撮影していた。ところがなぜか、大会告知用の写真がイヤーブックに載せられてしまったのである。

モーギンさんはひどく落胆し、家族も「ダウン症だから除外された」と感じているようだ。そして姉のジョルディン・ポルさん(Jordyn Poll、25)は今月15日、モーギンさんが写ったものと写っていないもの、2枚の集合写真をFacebookに投稿して次のように綴った。

「一方の写真はかわいい中学生のチアリーディングチームの写真です。そしてもう一方は同じポーズで同じメンバーが写っていますが、1人だけ除外された写真になっています。」

この投稿には、ダウン症の家族を抱える人などから「モーギン、あなたは美しいわよ!」「モーギンが写っていないものより写っている写真の方が何倍も素敵だわ」といった声が届いた。

ジョルディンさんはメディアのインタビューに応じ、「チームの女の子たちはモーギンにとても親切にしてくれて、彼女の友人でもありました。最後の思い出の写真にモーギンが除外されていたことは、本当に残念で仕方がありません」と話している。

ちなみにジョルディンさんによると、2年前のイヤーブックでも同じようなことがあり、その時はクラス名簿にモーギンさんの写真が載っていなかったという。のちに同校は今回の件についてミスを認め、『FOX 13』の取材に対してこのように声明を発表した。

「イヤーブックに生徒の写真が掲載されていないことについて、ご家族に謝罪するとともにこの間違いによって気分を害された全ての皆さんに心よりお詫び申し上げます。同校では原因を調査し、改善するように努めてまいります。」

なおジョルディンさんの投稿は、チアリーディングチームのメンバーに脅迫めいた声があがったことから削除したという。

画像は『New York Post 2021年6月17日付「Utah school excludes cheerleader with Down syndrome from yearbook photo」(Shoreline Junior High School)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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