高齢の夫と逃れられない介護の現実…。そんな生活にうんざりしていた女が夫を殺害したが、その方法はまさに拷問だった。あまりにも残酷な方法を選んだ女について、『Metro』などイギリスのメディアが報じている。
■口うるさい要介護の夫
結婚から38年。イギリス・ウィラルで暮らす女(59)の年上の夫も81歳と高齢になり、介護が必要な生活が始まっていた。
そんな夫の世話を担当していた妻は、昨年7月に娘と気晴らしに外出。しかし気難しい夫は外出先にも電話をかけ、「いったい何時に帰ってくるんだ」と妻を質問攻めにした。せっかくの楽しい外出を台なしにされた妻はカッとなったが、子供になだめられ、しばらくしてから自宅に戻った。
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■ネバネバの熱湯を浴びた妻
妻の怒りはなかなかおさまらず、帰宅後は親戚数名に電話をかけて、夫に対する不満をもらしたという。そのうち妻は「アイツなんか死ねばいい」という気持ちを抑えきれなくなり、殺害を決意。2020年7月14日にバケツいっぱいの水を沸騰させ、「夫に浴びせてやろう」と考えた。
女は熱湯に3袋分もの砂糖を加え、夫が休む寝室へ。ベッドで横になっている夫に一気に浴びせ、全身の3分の1以上にやけどを負わせた。砂糖のせいでネバネバした熱湯は夫の体からすぐには垂れ落ちず、夫はまさに地獄のような痛みを味わうはめになった。
■苦しんだ末の死
妻は夫をそこまでひどい目に合わせると、家から飛び出し、9軒先で暮らす知人の家に飛び込んだ。とりわけ親しくもない知人に女はひどく動揺した様子を見せ、泣きながら「夫にひどいけがを負わせちゃった」「殺しちゃったと思う」などとわめいたという。
通報を受けた警察が駆けつけたとき、夫はまだ息があり、苦しそうにうめいていた。ただちに病院に搬送したが、夫は数週間のつらい入院生活を経て8月に死亡した。
■殺人罪で有罪に…
今年の6月5日、妻はようやく殺人罪で有罪と判断され、7月には判決を受けることになった。
当局は「寝ている夫に大量の砂糖を混ぜた熱湯を浴びせたのは、重傷を負わせる意図があったからに他ならない」「すぐに救急車を呼ぶべきところを、9軒も先の家に行き時間を稼いだ」と判断したのだという。
40年近く夫婦として暮らしたにもかかわらず、愛情はいつしか憎しみ、そして殺意にと変化。「せめて楽に死なせよう」という情すら全くなかった妻の凶行により夫は長く苦しみ、悲惨な最期を迎えてしまった。この冷血な妻にどのような判決が下るのかに、多くの人が注目している。
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