夫婦別姓の婚姻届を受理しないのは憲法に反すると訴えていた家事審判3件の特別抗告審の決定で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は6月23日夫婦別姓は「合憲」との判断を示した。

最高裁夫婦別姓の違憲性を判断するのは2度目。2015年、民法が定める夫婦同姓を「合憲」とする判決を出していたが、社会情勢の変化を背景にあらためて判断が求められていた。裁判官15人中11人は合憲、4人は違憲とした。

決定後、申し立てた女性は、報道陣の取材に「婚姻届が受理されず残念です。お互いの名前で2人が合意しているのに結婚が成立しないことに疑問を感じます。多様な価値観を認めてほしい」とコメントした。

「結婚の自由や信条による差別の禁止を定めた憲法に違反する」と主張していた

今回の家事審判は、都内に住む3組の事実婚夫婦が2018年、東京家裁と東京家裁立川支部に申し立てていたもの。夫婦同姓を義務付けている民法750条とその手続きを定めた戸籍法74条は、婚姻の自由や信条による差別の禁止を定めた憲法に違反すると指摘していた。

また、内閣府2017年に実施した世論調査では、選択的夫婦別姓導入に賛成が42.5%となるなど、2015年判決から社会情勢に変化があると主張したが、家裁、高裁で退けられていた。

選択的夫婦別姓とは?

夫婦を同姓とする制度は、明治時代の民法から現行法にいたるまで続いてきたが、女性の社会進出などを背景に、法制審議会が1996年、「選択的夫婦別姓」制度の導入を答申した。しかし、当時の自民党議員の反対により、国会への法案提出は見送られた。

夫婦同姓は違憲だと訴えた第1次夫婦別姓訴訟で最高裁2015年、「夫婦同姓は合憲」との判決を下したが、裁判官15人中5人は「違憲」との判断を示した。以後も、選択的夫婦別姓制度を求める訴訟が複数起こされている。

その一つで、アメリカで別姓のまま法律婚した日本人夫婦が、日本の国籍に婚姻が記載されないのは法の不備があるなどと訴えていた訴訟で、東京地裁は2021年4月、東京地裁は夫婦の訴えを退けたものの、判決の中で、国内でも2人が別姓のまま婚姻関係にあることを認めた。

最高裁ふたたび「夫婦別姓」認めず、民法の規定は「合憲」…2015年判決を維持 申立人「婚姻届が受理されず残念」