参天製薬株式会社(本社所在地:大阪府大阪市、以下Santen)はこのほど、小児および成人の春季カタルの患者さんを対象としたVerkazia*(シクロスポリン乳化点眼液0.1%)の新薬承認申請 (NDA:New Drug Application) が米国食品医薬品局 (FDA:Food and Drug Administration)より承認されたことをお知らせします。昨年10月26日に申請受理されていたもので、今回の承認取得を受け、早期に米国の患者さんに新たな治療法をお届けできるよう努めてまいります。
春季カタルは、小児および若年成人に多く見られる再発性の重症アレルギー性眼疾患で、角結膜を含む眼表面に重度の炎症が見られる特徴があり、強い目のかゆみや痛み、羞明等を伴い(1,2)、日常生活に支障を来すこともあります(1,2,3)。適切な治療を行わない場合、重症化すると、角膜潰瘍や視力障害を引き起こすことがあると言われています(4)。

Santenの代表取締役社長 兼 CEOの谷内樹生は、次のように述べています。「春季カタルは子どもに多いアレルギー性結膜炎で、症状を発現するとかゆみや痛みにより目が開けられず、日常生活や学業生活が制限される等、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)に著しい影響を与える希少疾病です。昨年9月に買収したEyevance社により構築した米国での事業基盤を生かし、医療関係者の方々と連携しいち早く患者さんに届けることで、春季カタルにより外に遊びに行けなかった米国の子どもたちに笑顔を取り戻せることを願っています。」

Santenの執行役員 北米事業統括 兼 Santen Inc. CEOの貝原達也は、次のように述べています。「今回の承認取得は、新たに組織した米国開発チームのたゆまぬ努力の結果である自社開発品での承認であるとともに、アンメットニーズの高い眼科疾患の患者さんに対して革新的なソリューションを提供することを目標とするSantenにとって重要なマイルストーンとなります。今回の承認により、米国の医師および春季カタル患者さんは、この希少な疾患に対する新たな治療法を得ることができ、患者さんが日常生活を取り戻すことができることを期待しています。」

また、「Santenは欧州、アジア、カナダなどすでに承認・販売されている諸国に続いて米国においても承認を取得することでグローバル市場への開発コミットメントを示すことができました。引き続き、春季カタルにより活動が制限されている世界中の子どもたちに“Happiness with Vision”を届けてまいります。」とSantenの執行役員 製品開発本部長ピーター・サルスティグは述べています。

以上

Verkazia*について
Verkazia*は、Santenが独自に開発した医療用点眼薬で、プラスに帯電した(カチオニック)水中油型乳化点眼液です。シクロスポリンの眼でのバイオアベイラビリティーを改善し、春季カタルの治療管理に有効なことが明らかになっています。T細胞の活性を阻害し、春季カタル患者さんに見られる眼表面の重度の慢性アレルギー性炎症の原因となる化学物質の生成を減少させます。アジア、欧州、カナダなど10か国以上において春季カタルの治療薬として販売されています。

臨床データ
本承認は、Verkazia*が、小児および若年成人の春季カタル患者を対象に有効性と忍容性を評価したピボタルVEKTIS試験および第2/3相NOVATIVE試験のデータに基づいています。これらの試験において、Verkazia*は、角膜の炎症(角膜炎スコア)および目のかゆみを改善しました。
*は日本国内未承認

Santen(参天製薬株式会社、本社:大阪市)について
Santenは、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研究、開発、販売・マーケティング活動を行っており、世界約60を超える国・地域で製品を販売しています。
Santenが目指す理想の世界、「WORLD VISION」(Happiness with Vision)の実現に向け、世界中の技術や組織・人材をつなぎ、「見る」を通じて人々の幸せを実現するSocial Innovatorとして、眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指します。
130年の歴史の中で培われた科学的知見や企業力を活かし、製薬企業としての枠を越え、患者さん起点で眼科医療ソリューションの開発と提供に取り組み、価値ある製品・サービスの提供を通じ、患者さんや患者さんを愛する人たちを中心に社会への貢献を果たしていきます。
詳細については、当社ホームページ https://www.santen.co.jp/ja/ をご参照ください。


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1:Kumar S. Vernal keratoconjunctivitis: a major review. Acta Ophthalmol 2009;87:133-147
2:Leonardi A. Management of vernal keratoconjunctivitis. Ophthalmol Ther. 2013;2:73e88
3:Sacchetti M, et al. Development and testing of quality of life in children with vernal keratoconjunctivitis questionnaire. Am J Ophthalmol 2007;144:557-563
4:Bremond-Gignac D, et al. Prevalence of vernal keratoconjunctivitis: a rare disease? Br J Ophthalmol 2008;92:1097-1102

配信元企業:参天製薬株式会社

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