東海道新幹線の各駅について、降りたことがある駅/影が薄いと思う駅/「のぞみ」が停車しない駅で実は便利そうな駅とそう思う理由を聞きました。普段通過している駅にも、意外な便利さがあるかもしれません。

「降りたことがある」が最も“少ない”のは?

「乗りものニュース」では2021年6月11日(金)から6月14日(月)にかけて、東海道新幹線で利用したことがある駅に関するアンケートを実施。1638人から回答が集まりました。

初めに「東海道新幹線の駅で、これまであなたが降りたことのある(改札の外に出たことがある)駅はどれですか」(複数回答)と質問。結果、「降りたことがある」が最も多かった駅は東京で96.9%、2番目は新大阪で93.5%でした。以下、名古屋(91.1%)、京都(90.2%)、新横浜(74.4%)、品川(73.0%)と、「のぞみ」停車駅が続きます。

ここまでは予想通りでしょう。では逆に「降りたことがある」が少なかった駅はどこでしょうか。

そのトップが三河安城(16.6%)、続いて新富士(20.2%)、岐阜羽島(23.9%)、掛川(28.8%)でした。なお「すべて降りたことがない」(東海道新幹線を利用したことがない)と回答した人も0.4%いました。

続いて、駅で降りた目的を質問。すると、すべての駅で多い順に「観光、仕事、帰省」という結果になりました。なお「降りたことがある」が少なかった駅での、上記以外の主な下車目的は次の通りです。

●三河安城
・下車することが目的(50~54歳など複数)
部活動(20~24歳)
・かつて最寄り駅だった(35~39歳)

●新富士
・下車することが目的(50~54歳など複数)
・通学(20~24歳)
・イベントに参加するため(20~24歳)
位置ゲーム(45~49歳)

岐阜羽島
・下車することが目的(50~54歳など複数)
・乗り換え(25~29歳など複数)
・弔事(50~54歳)
ボランティア活動(65~69歳)

●掛川
・下車することが目的(50~54歳など複数)
・教習所合宿(30~34歳)
就職活動(20~24歳)

マイナーな新幹線駅に敢えて下りる「下りつぶし」派もいることが伺えます。

「影が薄い」と思う理由を聞いた

東海道新幹線の駅で、最も影が薄いと思う駅はどれですか」の質問では、「影が薄い」と思う順に以下の結果となりました。1%以上の回答率があった駅を列挙します。

・三河安城(31.4%)
・新富士(25.0%)
・掛川(19.2%)
岐阜羽島(17.6%)
・三島(3.4%)
・米原(1.5%)

では、それぞれの駅を選んだ人の理由をいくつか紹介します。

●三河安城
名古屋と豊橋に挟まれて存在が地味(55~59歳)
・ピンと来ない(45~49歳など多数)
在来線普通列車しか止まらない(30~34歳など複数)
・「こだま」しか止まらないから(45~49歳など多数)
秘境駅感がある(50~54歳)

●新富士
・乗り換え路線がない単独駅のため(25~29歳など多数)
・停車列車が少なく、在来線の駅から離れている(40~44歳など多数)
富士市中心部から離れたところにある(45~49歳)
岐阜羽島や三河安城と比べ、同じく地味なのにあまり話題にならないから(20~24歳)

●掛川
静岡県民の私にとっても、そういえば新幹線が止まったな、という存在(45~49歳)
・気づいた時には通過してる(35~39歳)
・どの辺りかよく分からないから(40~44歳など多数)
・観光名所なども思いつかない(55~59歳)

岐阜羽島
・周辺に何もない(50~54歳など多数)
岐阜市大垣市も遠い(50~54歳)
・場所がどこにあるかよく分からない(20~24歳)
・JR在来線がない(25~29歳など複数)
・最後まで思い出せなかったから(50~54歳)

●三島
小田原、熱海で次は沼津かなって思いから(45~49歳)
・熱海に近すぎる(55~59歳など複数)
新幹線駅のイメージがない(45~49歳)
新幹線で行くところではない(45~49歳)

●米原
在来線の方が便利(~19歳など複数)
新幹線の駅としてピンとこない(45~49歳)
・北陸へ行く時以外は通過してしまう(20~24歳)

「便利そうな駅はどれ」だと…? 三河安城駅も最下位脱出

「速達列車『のぞみ』が停車しない駅で、実は便利そうだと思う駅はどれですか」(複数回答)と質問したところ、結果は「便利そうだ」と思う人が多い順に、静岡(38.2%)、米原(30.0%)、浜松(26.6%)、小田原(23.0%)、豊橋(16.8%)、熱海(13.6%)、三島(8.0%)、岐阜羽島(2.4%)、三河安城(1.5%)、掛川(1.3%)、新富士(1.0%)でした。なお「あてはまるものはない」と回答した人は17.2%で、地域別に見ると中部地方に住む人でも14.0%がこの回答でした。

ベスト5位までのうち「影が薄い」の項目で1%以上の得票率があったのは米原駅のみ。また「影が薄い」の項目でベスト3だった駅の順位が、「実は便利そう」では入れ替わりました。では、「実は便利そう」と思う理由はどのような点か、駅ごとに紹介します。

●静岡
静岡県を代表する都市への玄関駅だから(45~49歳など多数)
政令指定都市の駅(50~54歳など複数)
・仕事や観光にも便利(35~39歳など多数)

●米原
在来線との乗り換えが便利(50~54歳など多数)
・東京から北陸へ行く時、乗換駅になる(70歳~など多数)
・「ひかり」がそこそこ止まるから(50~54歳など複数)
・接続路線が多く、ジャンクションだから(60~64歳など複数)

●浜松
静岡県の大都市にある駅(20~24歳など複数)
・企業が多く、仕事で使う(40~44歳など複数)
・「のぞみ」通過駅の中では一番の大都市(55~59歳など複数)
・乗換駅だから(50~54歳)

小田原
神奈川県央の人が小田急線から乗り換えて使う駅(55~59歳など複数)
・西日本から新宿へ行く時、ここから小田急が使える(30~35歳)
・観光地や需要のある都市へ向かう路線の分岐駅や接続駅だから(35~39歳)
・乗り入れ路線が多い(45~49歳など複数)

●豊橋
普通列車の始発駅だから(20~24歳)
・乗り換えられる路線が多いから(40~44歳など複数)
・都会の駅(30~34歳)
・東三河へのアクセスが便利(25~29歳)

●熱海
・観光地があるから(~19歳など多数)
・伊豆の入口(55~59歳など複数)
首都圏への通勤にも便利(45~49歳)
・思いつきで温泉へ行く時、使える(25~29歳)

●三島
・平日の始発が多くて座れる(55~59歳)
・街や観光地の規模が大きく、日常的にニーズがある(45~49歳)
・修善寺方面への利便性(60~64歳)
・通勤需要があるから(40~44歳)

岐阜羽島
・「ひかり」の停車が多い(40~44歳など複数)
・駐車場が整備されている(45~49歳)
・駅前のホテルが比較的取りやすい(60~64歳)

●三河安城
名古屋で下車する際に準備を始める目安になる(50~54歳)
・10分で名古屋に出られる(30~34歳)
・乗り換えができるから(25~29歳)
・大手企業の工場が多く、ビジネスで利用する機会が多い(50~54歳など複数)

●掛川
天浜線天竜浜名湖鉄道)が走っていて遠州北部に行きやすいから(~19歳)

●新富士
富士山へ行く時に使える(50~54歳)

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■アンケート実施概要
・調査期間:2021年6月11日(金)18時半から6月14日(月)14時まで
・調査方法:Questantのシステムを利用して調査
・対象:「乗りものニュース」のSNS(Twitter、Facebook)のフォロワーなど
・有効回答数:1638

東海道新幹線のN700S電車(画像:写真AC)。