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インドで牛のフンが大量に盗まれる事案が勃発
 牛は、インドヒンドゥー教徒にとって最高神の1人「シヴァ」の乗り物とされ、神なる存在であり、その排泄物もまた非常に神聖なものとみなされている。

 その為、牛糞はヒンドゥーの人々にとって運と幸せ、健康をもたらすものであると信じられ、宗教的儀式には欠かせないものとなっているし、農村地では土地の肥料となる牛糞を燃料として用いたり、近年ではインドの大都市企業が美容製品や手作りアート、更には放射線忌避装置の成分としても使用したりしており、とても重宝されているという。

 しかし、その大切な牛糞が大量に盗まれるという事件がインド中部で発生した。『The Indian Express』などが伝えている。

【800kgの牛糞が倉庫から盗まれる】

 6月8日と9日、インド中部チャッティースガル州中央部コルバ地区のドゥリーナ村にある倉庫から、800kgもの大量の牛糞が何者かに盗まれるという事件が発生した。

 農村地の人々にとって大切な牛糞は村の保管庫に保管されていたのだが、それが夜の間に全て消え去っていたのだ。

 チャッティースガル州は、ミミズ堆肥を生産するという州の計画に基づいて、酪農家から100kg当たり200ルピー(約300円)で牛糞を購入していた。

 今回、盗まれた800kgの牛糞は、1600ルピー(約2400円)の価値があると推定されている。

800 kg Cow Dung Stolen From Chhattisgarh Village, Police Register Theft Case

 6月15日、村から正式に報告を受けた地元警察は、集団強盗による窃盗事件として捜査を開始した。

インドでは近年、牛糞は様々な用途に使用されている

 インドでは近年、神聖な牛糞は様々な用途に使用されているため、「たかが糞」とは決して言えない。

 多くの州では、州政府が有機農業用の牛糞を販売するよう農家に奨励しており、貴重な牛糞を大量に盗まれるとなると、被害もそれだけ大きくなる。

 2019年には、政府は牛糞や尿から作った歯磨き粉やシャンプー、蚊よけ剤などの生産の奨励を行った。

 また、ストーブの燃料として用いたり土製のランプなど環境にやさしい工芸品を作ったりと様々な用途で使用される牛糞は、特にコロナ禍の今は「免疫システムを高める」「コロナの予防や治療に効く」などと信じている村人らが、牛舎を勝手に訪れ糞を体中に塗りたくり、牛乳で洗い流すという行為を繰り返しているという。

 しかし、これについてはインド医師会は警告を促している。

このような「治療法」は機能しません。病気の人が集団で牛舎に集ると、逆にウイルスを蔓延させることになります。
 とはいえ、一部のヒンドゥー教の人々にとっては、牛糞はなによりも神聖であり、神の力を持つ偉大なものなのだ。

 今回の大量の牛糞を盗み去った窃盗集団は、いったいどんな目的があったのか。また、それだけ大量の牛糞をどのようにして盗み去ったのか。今のところ明らかにはなっていない。

 村からの通報を受け、「犯人特定にあらゆる努力を払っている」と発表した地元警察は、これまでに複数の容疑者かと思われる人物に接触したが、未だ犯人逮捕には至っておらず、捜査は継続中だという。

Chhattisgarh Cow Dung Stolen: 800 Kg

written by Scarlet / edited by parumo

 
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