中国のポータルサイト・網易に6月30日、日本にやってきてすでに10年が経過したという在日中国人が「10年前にどうして日本留学にやってきたか」について語った記事が掲載された。
 
 記事によれば、在日中国人は2011年3月の東日本大震災による日本国内の混乱が続いていた同年4月に、天津市の同じ言語学校に通っていた2人の友人とともに東京へと赴き、留学生活を始めたという。計画停電などがあり、日本国内が正常な生活に戻っていない状況に加え、福島第一原発事故による放射能漏れに対する懸念が中国でも伝えられる中での日本留学には、さぞや大きな動機と決意があったのだろう。
 
 この在日中国人は大学時代に少し日本語を勉強したものの、日本留学を決めたのは大学4年になって就職活動をするようになってからだった。卒業後は学校の教師になりたいと考えていたため、そのための準備を進めていたものの、「コネクション」という最大の壁にぶち当たってしまい、コネを獲得するために必要なお金を支払う財力が家にはなく、親と協議した結果「ほうぼうからなんとかお金を集めてコネを獲得するなら、留学したほうがましだ」という結論に至ったという。

 そして、留学先に決定したのが日本であり、その理由についてこの在日中国人は日本語を勉強した経験があること、小さい頃から日本のアニメを見て育ち、日本に対する理解が多少あったことよりも「天津の家から近かったこと」が最も重要なポイントだったとした。天津市民は自分の街をこよなく愛し、できる限り一生を天津から出ることなく過ごしたいと考える傾向があるとのことで「飛行機で3時間もあれば着く。朝食を食べて日本の家を出れば、その日の午後には天津の家に着いて昼寝ができる。これも立派な理由ではないか」と主張している。
 
 他にも、経済的な面を考えても他国に留学するより日本に留学するほうがかなりリーズナブルだったという理由もあったとのこと。そして、実際に生活をしてみると、日本が自身にとって非常に暮らしやすい国だと感じるようになったという。就職の際にコネが求められた中国での経験などから、日本の方が「生きやすい」と考えたようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

10年前に私が日本留学を決め、今も住み続けている理由=中国メディア