「テレビで取材を受けていた人に手紙を出したい」と思ったある視聴者は、テレビに映っていた家の特徴を利用し「村の近くの十字路にある青と緑の小屋」と住所の部分に記して手紙を出した。正確な住所が書かれておらず、手紙は差出人に返されてしまうと思われたが、無事お目当ての人に届いたという。郵便局の底力に「この地域の配達員は素晴らしい」と称賛の声が相次いでいる。『Cornwall Live』などが伝えた。

6月30日、英南部コーンウォール州ランズ・エンド在住の作家カトリーナ・デイヴィスさん(Catrina Davies、42)は自身のTwitterに自宅に届いた1通の手紙の写真を投稿した。封筒には、本来住所を書く部分に「村の近くの十字路にある青と緑の小屋」とアバウトな住所が書かれていた。

この手紙は郵便受けに入っていたそうで、差出人が直接届けたものではなく間違いなく郵便局から届いたものだった。差出人はなぜこんな住所を書いたのか。そのきっかけはあるテレビ番組だった。

カトリーナさんは、昨年11月に放送されたBBC Twoのテレビ番組『Cornwall with Simon Reeve』に出演していた。無機質な小屋に10年以上住んでいるカトリーナさんに注目した番組制作陣が、カトリーナさんを取材したのだ。

その中でカトリーナさんは、同地域の住宅価格の高騰についての意見を語っており、そのことに賛同のコメントを送って思いを伝えたいと差出人は考えた。

しかし番組では正確な住所は明かされていなかった。そこで差出人は分かる範囲で住所を書くことにし、「『Cornwall with Simon Reeve』で取り上げられていた、村の近くの十字路にある青と緑の小屋に住んでいる人」と、封筒に宛名を記した。

そしてイギリス郵便局ロイヤル・メール(Royal Mail)」に持っていくと、住所が分からないのでこのように書いたとスタッフに経緯を説明した。するとロイヤル・メールのスタッフは、1通の手紙のために住所を調べ上げて目的の住所へ配達したのだ。

手紙を受け取ったカトリーナさんは、のちにこう述べている。

「住所の書き方にも驚きましたが、宛名の名前もスペルが間違っていたので、ちゃんと私に届いたことに驚きました。仕分けている時に、誰かが『それどこにあるか知っているよ』と言ったようです。ただ捨ててしまうのではなく、届けようと努力してくれたのは素晴らしいと思います。」

「手紙の内容も素敵なものでした。今回の出来事で、思っているよりも世界は小さくて身近に感じる人がいるかもしれないですね。」

ロイヤル・メールのスタッフの努力が実ったこのニュースには、「この地域の配達員は素晴らしいね。私のところなんか住所が合っていても間違った郵便物が届くよ」「とても素敵な話だね」「名前も間違っていたのに届くなんてすごいな」など、その行動を称賛する声が多数寄せられた。

ちなみにロイヤル・メールは今回の件を受け、このようにコメントした。

「“地域に関する知識”と“探偵スキル”を駆使してお届けできたことを嬉しく思います。今回のような場合、正しい宛先を特定するためには、地域を知っている人の存在が重要となるのです。」

「私たちはお客様の郵便物を安全にお届けするため、最大限の努力を行っています。しかし郵送する際には、宛名の部分に郵便番号を含む住所全てをはっきりと正確に書くことで、お客様にも協力していただきたいです。」

画像は『Metro 2021年7月1日付「Letter addressed to ‘woman in Cornwall shed’ arrives at its correct home」(Picture: BBC)(Picture: @CatrinaWriter)』『BBC 2021年7月1日付「Royal Mail delivers letter addressed to ‘woman in Cornwall shed’」(CATRINA DAVIES)(ANDREW MCNAMARA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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