清原果耶がヒロインを務める連続テレビ小説おかえりモネ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。7月7日放送の第38回では、地元・気仙沼に帰省中の百音(清原)のもとに、登米にいる菅波(坂口健太郎)から電話があった。つらいエピソードが描かれる第8週、菅波の思わぬ登場と優しい気遣いに、視聴者からも「癒された」の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)

【写真を見る】いい雰囲気…!距離が縮まるモネ(清原)&菅波(坂口)

■菅波先生から突然の着信。用件は…

第8週は「それでも海は」(7月5日[月]~9日[金])を放送中。第38回では、新次(浅野忠信)の姿が見えなくなった、と騒ぎに。結局、新次は自宅のあった場所にいるところを発見されたが、百音たち一家は新次がいまだに先の見えない苦しみの中でもがいていることを思い知らされたのだった。

試験本番が近づく中、勉強に集中できない百音のもとに、登米にいる菅波から電話がかかってきた。

菅波の用件は、縄跳びは1日3分ではなく5分は飛んだ方がオステオカルシンが分泌され、記憶力の向上が期待できるので、1日5分飛んでほしい、という恐ろしく些細なものだった。いかにも理系男子らしいこだわりで、この時点で微笑ましさを感じずにいられない。

だがそれだけでは終わらず、菅波はここから意外な優しさを見せた。黙っている百音に何かを感じ取り、「何かありましたか?」と問いかけたのだ。

立ち直れずにいる新次を目の当たりにして、百音の胸の内は今、無力感でいっぱいだ。「気象予報士試験に合格したからといって、なんかできるなんて本当は思ってないです。誰かを助けられるとか…。でも今は、これをやるしかないんです」と百音が衝動的につぶやくと、菅波は「さっぱりわからないので大変ふがいないですが、僕からは建設的な回答は何一つできません」と前置きし、「ただ、回答できない分、聞くことはできます。何かありましたか?」と、もう一度尋ねた。

■菅波先生の優しさに「癒される」の声も

菅波なりに百音に寄り添った結果の「何かありましたか?」という一言が、百音には何よりの癒しになったに違いない。百音は涙を浮かべながらも、前を向いた。そして、「飛びます。縄跳び、5分。飛びます」と菅波に約束した。

新次役の浅野忠信、亮役の永瀬廉、耕治役・内野聖陽、耕治の父・龍己役の藤竜也らの説得力ある演技によって、現実の厳しさを容赦なくこちらに伝えてくる今週の「おかえりモネ」。

まだ亮・新次父子の出口は見えそうにない。それでも朝は訪れるし、誰もが新しい今日を生きていかなければならない。そんな中で菅波が百音に寄り添って発した「何かありましたか?」は、無力感に苛まれがちな百音にとっての光であり、また、見る者にとっての癒しともなった。

視聴者からも「息もつけない緊張感の中で、菅波先生に癒された」「聞いてもらうだけでもいい。人に寄り添うってそういうこと」「菅波先生の、深入りせずに話は聞いてくれるっていう姿勢がとてもいい」といった声が上がった。

7月8日(木)は第39回を放送する。永浦家に連れられてきた新次は、耕治や龍己たちに苦しい胸の内を吐き出す。そこへ亮がやってくる。1人ですべてを抱え込み、耐えてきた亮が父の苦悩を聞き、素直な思いを行動に移す。

菅波(坂口健太郎)の電話が百音(清原果耶)に癒しを与えた/「おかえりモネ」第34回より (C)NHK