古代から猫は船乗りたちにとってなくてはならない存在だった。船の食料や、ロープや電線をかじるネズミ対策はもちろん、船の守り神として、船員の心を癒すマスコットとして重宝されてきた。
第二次世界大戦が勃発すると、ほとんどの国の海軍は猫を船に乗せた。守り神である猫が船の中で快適でいられるようにと、猫用のハンモックが設置された。
これらの写真は、軍船の船に設置されたハンモックでくつろぐ猫たちの姿を集めたものだ。
1.アメリカ海軍の戦艦「ニューメキシコ」のハンモックに横たわる猫、サイパン
2.イギリス海軍「シュロップシャー (重巡洋艦)」の猫、トーマス
3.ギリス海軍の航空母艦「イーグル」の子猫はマスコット的存在だった
船乗り猫の歴史は古い。古代エジプト人は川岸沿いの茂みにいる鳥を捕まえるため、猫をナイルボートに乗せていたと言われており、古代エジプトから海上交易路沿いに広まったと推測されている。
8世紀から11世紀頃はヴァイキングを含む、多くの国の交易商人が猫を船に乗せていたと結論づけられており、15世紀から18世紀の大航海時代には、帆船が土着の猫を他の世界のあらゆるところへ拡散させた。
第二次世界大戦中は海軍の活躍により、多くの船乗り猫が有名となり、その逸話が残されている。
4.HMASカニンブラでハンモックで眠る子猫
5.イギリス海軍、ウォースパイト戦艦で子猫を乗せたハンモックの下で眠る隊員
6.アキリーズ軽巡洋艦のハンモックに乗る子猫(1939年)
7.オーストラリア海軍の軍艦ニザムでは2匹の猫が1つのハンモックに
8.カナダ王立海軍のHMCSイロコイのハンモックに乗る猫
9.イギリス海軍の軽巡洋艦ハーマイオニーのハンモックで眠る猫のコンボイ
特殊能力をもつとされる猫は船乗りの間で多くのジンクスや迷信がある。
イギリスでは黒猫を寄せると縁起が良いとされていた。また、猫には天候を操る力があるとされ、尻尾に蓄えた魔力で嵐を呼ぶことができるという俗信もあった。
猫が毛並みに逆らって毛を舐めたなら雹や嵐に、くしゃみをしたら雨、元気に駆け回るなら風が吹くなど、天気を予測する手段として重宝されていた。
また、猫が船上で船乗りに近づけば幸運の印、途中で止まったり、後ずさりするなら不幸の印というジンクスも信じられていた。船乗り猫が水中に落ちたり、投げられたりしたら9年間呪われるという逸話もある。
これらのことから、船乗りたちがいかに猫を大切にしていたかがわかるだろう。
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