JFA日本サッカー協会)が昨年完成させた千葉市幕張の「高円宮記念JFA夢フィールド」に、新たにビーチサッカーピッチが完成し、7月7日午後4時から田嶋幸三JFA会長、元ビーチサッカー日本代表監督のラモス瑠偉氏、フットサル・ビーチサッカー委員長北澤豪氏、日本ビーチサッカー連盟会長の長與博典氏らが出席して記念セレモニーが開催された。

これまでビーチサッカー日本代表は、沖縄県立川市の立飛にあるピッチなどで活動してきた。それというのも、昨年完成した「高円宮記念JFA夢フィールド」には天然芝と人工芝のピッチが各2面と、室内のフットサルコート1面はあったが、ビーチサッカーピッチはなかった。

建設予定のスペースは確保してあったものの、肝心の「砂」がなかったのだ。田嶋会長も「ビーチだけがないのは心苦しかった」と打ち明ける。しかし今回、長與会長がホワイトサンド(精製砂)800トンを寄付したことで、「あとは協会が責任を持って作りますということで完成した」(田嶋会長)という。

ピッチは33m✕42m (ピッチサイズは28m✕37m)で深さ40センチほど。成人男性の膝下くらいまで埋まる深さだ。芝生の観覧席と照明も完備し、今月中旬にはすぐ側に更衣室も完成する。すでに8月にロシアで開催されるワールドカップへの参加も決まっているため、専用ピッチの完成で初優勝にも期待がかかる(前回19年パラグアイ大会では4位。準決勝でポルトガルに3-3からのPK戦で敗退。3位決定戦でロシアに4-5だった。優勝はポルトガル)。

田嶋会長も「パラグアイ(大会)では優勝しそうだったので、作ることは決めていた」とし、今後は代表チームの練習だけでなく、国内リーグの会場としても使用する予定だ。

さて、このピッチ、名称は「ピッチ・カリオカ」に決まった。リオデジャネイロコパカバーナビーチでは、1995年に最初の世界選手権が開催され、ビーチサッカーの聖地と言われている。そして「カリオカ」はリオデジャネイロ市民やリオデジャネイロ出身者を広く意味する。さらに長くビーチサッカー日本代表の監督を務めたラモス瑠偉氏と、現在の代表監督兼選手である茂怜羅(もれいら)オズもリオデジャネイロ出身だ。

田嶋会長も「カリオカ(ラモス瑠偉氏)がビーチサッカーの井戸を掘った。沢(穂希。11年W杯のMVP)に続いて(パラグアイW杯の)MVPのオズもリオデジャネイロ出身」と「ピッチ・カリオカ」に命名した理由を説明した。

ラモス瑠偉氏は「電話で田嶋会長から“ピッチ・カリオカ”と聞きました。リオと比べても素晴らしいピッチ。立派なピッチができて感謝しかない。ここがビーチサッカーの聖地になるでしょうし、そうなって欲しい」と期待を込めた。

そして初練習を前にした代表選手には「言いたいのは自分を信じること。そうすれば(パラグアイ大会では)メダルを取れていた。取れなかったのは監督(自分)のせい。ビビってはダメ。ロシアでは自信を持って、ブラジルと決勝で戦いましょう」と激励した。

「高円宮記念JFA夢フィールド」は海岸沿いにあり、隣接する松林を抜けるとそこには砂浜が広がっている。将来はその砂浜に、コパカバーナのように多くのコートを作る構想もある。それが何年後になるかわからないが、夏になると老若男女がビーチでサッカーを楽しむ日が来ることを信じて待ちたい。


【文・六川亨】


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