中国のポータルサイト・網易に9日、日本でザリガニ特定外来生物に指定される見込みであることについて「どうして食べてしまわないのか」とする記事が掲載された。
 
 記事は、中国でザリガニが人気の食べ物であり、特に暑い夏はビールとの組み合わせが「黄金コンビ」としてこよなく愛されていると紹介。2019年にはザリガニの売上高が初めて4000億元(約6兆8000億円)を突破したと伝えた。

 その上で、日本の状況は中国と全く異なっているとし、環境省の専門家会議が7日にアメリカザリガニ特定外来生物に指定する提言案をまとめ、8月には同省が指定に向けた検討を進める予定だと紹介した。特定外来生物に指定されれば販売や野外への放出が禁止されるほか、ペットとして飼育する場合にも許可が必要になる可能性があるとしている。
 
 そして、日本では1927年、食用されていたウシガエルの飼料としてアメリカザリガニが持ち込まれ、以後田んぼや池などに放されて強い繁殖力によってあっという間に増えていき、既存の生態系への悪影響が懸念されるようになったと紹介した。
 
 記事は、日本での規制の動きに対して中国のネット上では「食べてしまえば解決するのではないか」との声が出ているとした上で「実は、その認識には大きな誤解がある」と指摘。中国で大量消費されているザリガニは食用として養殖されているものであり、野生のザリガニを捕獲して食べてしてるわけではなく、雲南省などでは野生のザリガニが日本と同じように増殖して現地の生態系を脅かしている状況なのだと伝えた。
 
 また、野生のザリガニは見た目が悪く、汚物が大量に付着している他に、さまざまな病原菌や寄生虫を持っている可能性があるため食材市場に流通することは不可能なのだと説明している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

日本がザリガニを「特定外来生物」に、なぜ食べちゃわないの?=中国メディア