ウォーターアトラクション・遊園地

アメリカ・アイオワ州の遊園地で3日夜、人気のウォーターアトラクションが川下り中に転覆事故を起こし、死傷者が出た。現在も事故の原因について調査が行われているが、5年前にも死亡事故を起こしたアトラクションだという。『KTLA』『Des Moines Register』『KCCI』など多くの海外メディアが続々と報じている。


■人気のアトラクションで事故

事故はアイオワアルトゥーナにあるアドベンチャーランドパークという遊園地にあり、この時期は特に人気の『レイジングリバー(Raging River)』というウォーターアトラクションで起きた。

これはチューブ型の丸いボートで6人乗り。急流の川をくるくる回りながら下り、水しぶきを浴びたり、岩肌に激突したり、ダイナミックな渦に大きく揺すぶられる度に、歓声が上がるという。


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■1名が死亡、1名が重体

現地時間の3日夜、そのレイジングリバーの一基がある地点でいきなり転覆した。4名が救急搬送され、翌日にマイケル・ジャラミロくん(11)が死亡。2名は軽傷だが、もう1名の未成年者が意識不明の重体だという。

アルトゥーナ市消防局は、「非番のスタッフも含め、多くのスタッフが人命救助のため迅速に対応していた」と一定の評価をしているが、このアトラクションでじつは5年前にも同様の事故があった。

■オペレーターの焦りで従業員が事故死

2016年6月、ボートに足をかけて乗客のシートベルト着用など安全確認を行っていた60代の男性が、ボートが予期せず動き始めたため1メートル下のベルトコンベヤー部分に落ちた。そして岩とボートの間に頭を挟まれ、脳挫傷で死亡するという事故が起きていた。

遺族による損害賠償請求の裁判では、オペレーターに人為的ミスがあったことが認められた。常に「次々と迅速にボートを出発させなければならない」という焦りがあり、乗客の安全点検もそこそこに、安易にスタートのボタンを押しがちだったという。


■定期点検を終えたばかり

現在、このたびの転覆事故の原因について詳しい調査が行われているが、年間約60万人が訪れる同園にレイジングリバーは1983年に登場し、以来40年近く安全だといわれてきた。

州が監修する定期点検に合格したばかりだったこと、そして乗客もシートベルトをしっかりと着用していたことから、川の流れが度を越して荒かったのではないかという点にも注目が集まっている。

実際に事故を起こしたアトラクションを画像検索した結果、ほぼ同型のものが国内でも使われているようだ。メーカーで使用されている各国のテーマパークに情報提供した上で、今一度しっかりと安全の点検を行ってほしいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

米遊園地のウォーターアトラクションで転覆死傷事故 ほぼ同型が日本にも