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今月8日、アメリカで移動式遊園地の絶叫マシンに不具合が発生した。当時の様子を捉えた映像には、土台が地面から離れて前後にグラグラと揺れる様子が映っており、後ろに倒れてしまいそうな場面も確認できる。この様子を見た人々が土台に飛び乗り、協力して揺れをおさえたことで惨事を免れ、ケガ人は出なかったという。『New York Post』などが伝えた。

ミシガン州トラバースシティにて、毎年恒例の『National Cherry Festival』が今月3~10日にかけて行われていた。多くの店が出店し様々なイベントが催されている中には移動式の遊園地もあり、多くの人で賑わっていた。

しかし8日の午後11時頃、「マジックカーペットライド(Magic Carpet ride)」という絶叫マシンに不具合が発生した。マジックカーペットライドは、支柱に対して時計の針のように設置された柱の先端に座席が取り付けられた乗り物だ。乗車部分が地面と平行になったまま、勢いよく回転するという人気の絶叫マシンだ。

当時の様子を撮影した映像には、座席に複数の人の姿が確認できる。マシンは勢いよく振り子のように回転し、まさに稼働している最中だった。しかしスピードを上げて回転するたびに、地面に設置しているはずの土台部分がバタバタと動いてしまっているのだ。

今にも後ろに倒れてしまいそうな動きをしている絶叫マシンに、周囲にいた人は騒然となり、目の前の光景に頭を抱える人の姿も見られる。別の動画では、支柱の真下にあったコントロール室にいたスタッフが揺れ出した絶叫マシンに驚き、急いで外に出て離れる姿も捉えられていた。

そして周囲にいた1人の男性がマシンの転倒を防ごうと土台の端に飛び乗り、設置されていた柵にしがみついた。それを見た人たちも次々と柵にしがみついて必死にマシンを押さえ込んでいる。

結果的に大勢の人が加わったことで、マシンの揺れを止めることに成功し、乗客を乗せていた振り子はゆっくりと時間をかけて止まった。安全バーはロックされたままだったようで、スタッフが止まったマシンに駆けつけ乗客が無事に降車すると、周囲から拍手が湧き起こった。乗客たちは無事に降りられたことに安堵し、地上で待っていた家族や友人とハグをして涙する姿も映されている。

この動画を見た人々からは、「これは怖いな。これから絶叫マシンに乗るときは、移動式じゃない遊園地に行くよ」「地上で見守っていた家族も気が気ではなかっただろうね」「こうした絶叫マシンは、もう信じられないね」など恐怖を訴えるコメントや、「危険を顧みずに絶叫マシンの揺れを止めようとする人たちの行動が素晴らしい」と助けに入った人々の行動を称賛する声も見受けられた。

当時、この絶叫マシンに乗っていたトレヴァー・ドルーさん(Trevor Drew)は「以前にも似たようなタイプの絶叫マシンに乗ったことがありますが、その時よりも激しく揺れていると感じました」と乗車中の様子を明かす。

またこの不具合が発生した時、偶然近くにいた目撃者のジョイ・オゲモーさん(Joy Ogemaw)は「“バンッ”という大きな音が聞こえたんです。それから上を見ると擦れるような音がして、どんどん動きが速くなっていきました。そして全体が前後に少しずつ揺れ出して、土台が後ろに倒れそうになっていました。目の前で起きた光景でしたが、とても信じられませんでした」と当時の状況を説明している。

今回の移動式遊園地を運営していた会社「Arnold Amusements」のジョーイーヴンさん(Joe Even)は「機械の誤作動があったのは確かですが、その詳細は明らかになっていません。現在この絶叫マシンは解体され、工場へ戻されました。製造工場はオハイオ州にあるので、そこで何が起きたのか調査中です」と語っている。

画像は『New York Post 2021年7月10日付「Crazy video shows moment fairgoers rush to stop carnival ride from toppling over」』『ABC7 Chicago 2021年7月10日付「Video shows carnival-goers almost crash to ground as Michigan Cherry Festival ride breaks」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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