TPOに合わせて振る舞いや言動をわきまえなければならないが、旅客機に搭乗する際の服装も各航空会社が客に義務づけているようだ。このほどアメリカの航空会社が、飛行機に搭乗しようとしていた女性の服装が相応しくないとして搭乗を拒否し、物議を醸している。『New York Post』『The Sun US』などが伝えた。

米テキサス州にあるダラス・フォートワース国際空港で現地時間8日、トルコ出身のボディビルダー兼フィットネスモデルとして活躍するデニス・セイピナーさん(Deniz Saypinar、26)が服装規定に反するとしてアメリカン航空の職員から飛行機への搭乗を拒否されてしまった。

デニスさんの当時の服装は、丈の短い茶色のクロップトップにデニム生地のショートパンツをはいて、腰に白いシャツを巻いていた。そんな彼女の服装を見たある家族が、同航空会社の職員に「不快だ」と苦情を入れたようだ。そのためデニスさんは予定していた便に搭乗することができず、翌朝まで次の便を待つ羽目になった。

そんなデニスさんは、国際ボディビル・フィットネス連盟(IFBB)のプロの資格を取得した初のトルコ人女性であり、Instagramに100万人以上ものフォロワーを持つインフルエンサーでもある。彼女はアメリカン航空の対応に納得できず、空港からフォロワーに向けて涙ながらに不満を述べる動画をInstagramに投稿し、このように訴えた。

「ねえ、みんな、今日の私に何が起きたのか信じられないと思うけど。テキサスの空港で航空会社の職員が私を搭乗拒否したのよ。この服を着ているせいだって言うんだけど、彼らは私に『君は裸だ』って言ったのよ!」

「私は女性としての自由を手に入れるためにトルコからこのアメリカに移住したのよ! それなのに彼らはそんな私を搭乗させなかった。彼らは私がその場にいた『家族に不快感を与えた』からだって言うのよ! 信じられる!? とても馬鹿げた考えだと思うの。」

「私はフェミニンな服装が好きだけど、誰かを怒らせるような格好は決してしていない。私は成熟した常識ある大人で、自分が何を着るべきかわかっているつもりよ。」

デニスさんの涙の訴えに対して、フォロワーからは「2021年になっても、飛行機に乗るために服装の規定があるなんて、しかも女性にだけじゃないの? これって馬鹿げてる」「女性に服装や行動を指示するのではなく、女性を尊重するような社会にして」といった彼女を擁護する声が届いた。しかしネット上では次のような意見があがった。

「『誰かを怒らせるような格好はしてない』って言うけど、あなたの価値観と他の人の価値観は全然違うから!」
「彼女には航空会社のドレスコード(服装規定)じゃなく常識的な考えが必要なんじゃないかな。」
「素晴らしい体型だと思うけど、飛行機に搭乗するにはふさわしい服ではないね。」

一方でアメリカン航空は『New York Post』のインタビューに応じ、このように声明を出している。

「アメリカン航空は、7月8日にダラス・フォートワースからマイアミに向かうお客様の搭乗をお断りしました。規約にある通り、全てのお客様は搭乗するにあたって適切な服装をしなければならず、不快感を伴うような服装での搭乗は許可されておりません。」

「今回搭乗できなかったお客様には当社の方針をお伝えし、後のフライトに予約を変更しました。その後、お客様はマイアミに到着されました。」

なおデニスさんがInstagramに投稿した動画はすでに削除されており、その後の投稿にはアメリカン航空について一切触れていないようだ。

画像は『Deniz SAYPINAR 2021年7月1日付Instagram「I took off a week I found myself in Hawaii.」』『New York Post 2021年7月9日付「Bodybuilder accuses American Airlines of banning her from flight over attire」(@dnzsypnr/Newsflash)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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