近年はさまざまなTV音楽番組への出演によって、シンガーとしての認知を高めている蒼井翔太。2021年3月にはピアニストと2人だけでのパフォーマンスによる生配信ライブ「蒼井翔太 ONLINE LIVE at 日本武道館 うたいびと」も開催され、自身の中にある歌への思いは今まで以上に、より強く深いものになっているようだ。

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今回はそんな彼に、ニューシングル「give me ・ me」収録曲への思いなどをたっぷりと語ってもらった。

■プロ意識を高めて、今後も表現の幅を広げていきたい

――最近の蒼井さんの活動に、周囲からの反応はありましたか?

いろんなメディアに出させてもらったことで、思いもかけない方々から反響を頂くことが最近は多くて。日本のみならず海外の皆さまの元にも蒼井翔太の音楽が届いていることを強く感じるようになりました。だからこそ、プロ意識を高めて、今後も表現の幅を広げていきたいと思っています。

――ニューシングル「give me ・ me」は、蒼井さんが声優として出演するTVアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X」(TBS系)のエンディングテーマとなっていますが、また新たなトライが詰め込まれているのでしょうか。

アニメ作品に寄り添いつつも、僕の大好きな女の子アイドルグループっぽい要素を盛り込んでもらうなど、今やりたいことを思いきりやらせていただきましたね。フックでは耳なじみのいいタイトルフレーズを繰り返すことで、キャッチーでラブリー、なおかつかっこ良さもしっかり感じてもらえる仕上がりになったと思います。蒼井翔太初のアイドル風の楽曲でもあるので、ボーカルではちょっとガーリーに聞こえる歌い方を追求したところもあって。これまでカラオケでアイドルソングを歌い続けてきたことで体に染み付いた歌い方を発揮できましたね(笑)。

■「硝子のくつ」には、どんなことがあっても大切なものを守り抜く強い意志を込めた

――ジャケットのアートワークやMVにもこだわりが注ぎ込まれているのでしょうか。

今回のジャケットは、メインとなる僕の周りに、黒い衣装を着た異なる世界線の僕がたくさんまとわりついているビジュアルになっていて。それは歌詞にある“重なり合う世界線”というフレーズからイメージしたものなんです。人生にはいろんな選択肢があるけど、自分が選んだ道であれば自信を持って突き進んでほしいというメッセージが込められています。

また、MVではダンサーの方に参加していただいているのですが、みんな口元を手で隠した状態でダンスをしているんですよ。それはコロナ禍を意識してのこと。今の時代に出す作品だからこそ、今の情勢を象徴的に刻み込んでおきたかったんです。

――2曲目は、自ら作詞・作曲を手掛けた「硝子のくつ」を収録。自身が出演するドラマ「REAL⇔​FAKE 2nd Stage」(TBSほか)のエンディングテーマとなっていた楽曲ですね。

僕が演じさせていただいた朱音の心情に重ね合わせて、どんなことがあっても大切なものを守り抜く強い意志を曲に込めました。ドラマの内容がそうであったように、リアルとフェイク、白と黒が混濁すると灰色になるじゃないですか。そこから“灰かぶり”→“シンデレラ”というイメージの連鎖が生まれたので、タイトルを「硝子のくつ」にしました。聴いているだけで心拍数が上がってくるようなサウンドを味わってみてください。

――そして3曲目は、ゲーム「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…〜波乱を呼ぶ海賊〜」のオープニングテーマ曲ですね。

まだ見ぬ地平線の向こうに広がる世界に対してのワクワクを感じられる楽曲になりました。一歩を踏み出す勇気が出ないときには、ぜひこの曲を聴いてみてください。確実に元気になってもらえると思います!

取材・文=もりひでゆき

※「give me ・ me」の“・”部分はハートマークが正式表記

蒼井翔太にインタビューを行った/ 撮影=玉井美世子