車の購入を検討するとき、新車であればあまり悩まないかもしれません。これが中古車選びとなると年式や走行距離、傷の有無など千差万別。そのため、何を決め手にしようかと決めかねることもきっとあるでしょう。

中には比較的新しめの中古車の選択肢として、「試乗車上がりの中古車」をピンポイントで探すという方もいらっしゃるかと思います。しかし試乗車上がりの車は実はあまり良くないと、元新車ディーラー勤務の筆者は考えます。

そこで今記事では、試乗車上りの車のメリット・デメリット、そして中古車選びのポイントを解説します。

そもそも試乗車上がりってどんな車?

まず、試乗車上がりの車とはどんな車なのか、わからないという方に概要を説明します。新車の購入を検討する際にディーラー行って車を見たことがあるかと思いますが、そこに並べられている車が試乗車です。

試乗車は一定期間が経過すると新車ディーラーが運営している中古車店に並ぶのですが、その特徴としては「比較的新しい(1年経過程度)」、「必要な装備がほぼ網羅されている」、「安心のディーラー保障」などが挙げられます。

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元試乗車の車の良いトコロと悪いトコロ

それでは、元試乗車として中古車店舗に並んでいる車のいいところと悪いところを紹介していきます。

まずは良いところですが、第一に装備が充実している点が挙げられます。新車の販売店舗がお客さんにデモをする車ですから、基本的には上位グレードのカーナビなどがついているので、購入後ナビを入れ替えるなどの必要がありません。

また、新車登録から新しい車ということもあり、メーカー保障や販売店保証がしっかりしているという点もいい点といえるでしょう。

逆に試乗車上がりの中古車の悪いところを挙げていきます。一つ目は「不特定多数の人が乗っている」こと、二つ目に「粗雑な扱いを受けている個体が多いこと」が挙げられます。

いくら新しくて割安感があるとはいえ、多くの人たちが乗った車を購入することになると衛生的にちょっと…と考える人もきっといることでしょう。

また、試乗車はその車の性能を確かめる人も一定数いるため、急加速や急ブレーキなどといった車にとってあまり良くない使い方をされている場合もあります。

いくら走行距離が短く年式が新しくても、酷使されている個体もあることを頭に入れておいたほうがいいでしょう。

あえて試乗車以外の中古車を選ぶ選択肢

年式が比較的新しい車を視野に入れるとなると、試乗車上がりが最有力候補となりますが、これを避けた場合にどういった車を選ぶべきなのかという点についても触れていきたいと思います。

この場合は、初年度登録から2年半~5年程度経過した「ワンオーナー車」を狙ってみるのもいいポイントです。近年の自動車保有年数は7年~9年と長期化が進んではいますが、初回車検や2回目の車検前に車を乗り換える層は一定数います。

特に最近は残クレ利用が増えてきているので、ワンオーナーの5年落ちの中古車が増えてきている印象を受けます。こういった車をピンポイントで狙うというのも一つの手法と言えます。

この時、できるだけ「修復歴なし(=大きな事故歴がない)」の車に絞って探すことを強くおすすめします。

高年式車を買うなら未使用車も検討材料だが…

どうしても新車登録から1年以内の車歴の短い車が欲しいという方は、「登録済み未使用車」を視野に入れてみるのもいいでしょう。

未使用車というのは、一般的に新車ディーラーがメーカーから課せられたノルマを達成するために自社でナンバー登録をして、そのまま中古車市場に流通させた車のことを指します。

新車登録からおおむね半年以内の車が大半で、新車購入よりも比較的安価でかつ誰も乗っていないような車を購入することができます。

ただし、未使用車を購入する際に気を付けたいポイントがあります。

それは、トータルの購入費用が新車購入とほとんど変わらないということが起きる可能性があること、販売店でローンを組む際に新車購入よりも高金利のローンとなる可能性があることです。

一度新車購入の見積を取って比較検討すると損をする可能性も低くなりますから、そういった工夫が必要となるでしょう。

おわりに

試乗車上がりの車は、フル装備の車を安く購入できるというメリットもありますが、意外な欠点も見受けられます。中古車購入の際にはメリット・デメリットをしっかり把握したうえで検討することをおすすめします。