劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』の初日舞台挨拶が7月22日に新宿ピカデリーで開催され、市川染五郎、杉咲花、イシグロキョウヘイ監督が登壇。それぞれが公開を迎えた喜びを語ると共に、染五郎が共演した山寺宏一の演技に感動したことを明かした。

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本作はテレビアニメ「四月は君の嘘」のイシグロキョウヘイ監督が、人付き合いが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク姿の少女が、言葉と音楽で距離を縮めていく青春ストーリー。2度の公開延期を経てようやくお披露目となり、染五郎は「2回も延期になり、とても残念な想い、悔しい想いがありました。なんとか公開を迎えられて、うれしいという気持ちでいっぱいです」、杉咲も「私もいつ無事にお客様のもとに届くのだろうかという想いでした。この映画にぴったりの夏の季節に公開になること、すごくうれしいです」と感無量の面持ちを見せていた。

主人公のチェリー役を染五郎、ヒロインのスマイル役を杉咲が演じた。染五郎は「チェリーはとても人見知りで、自分の思っていることをうまく気持ちをうまく言葉にできない。唯一自分の気持ちを表現できるのが俳句」と紹介。「自分自身も人見知りなところがあって、とてもチェリーと似ている部分がたくさんある」そうで、「不思議なご縁と言いますか、ここまで似ている役をやらせていただくことにご縁を感じています」と役柄に愛情を傾けていた。

収録はコロナ禍以前に行われ、「掛け合いを大事に、なるべく一緒に録りたい」という監督の考えもあり、大人数でのアフレコができたという。杉咲は「声優の皆様のプロフェッショナルな姿勢に感動しました。とても貴重な経験」、染五郎も「いまこの状況だったら、同じブースで、間近でプロの方がアフレコをされているのを拝見することもできないと思います。そういう点でも貴重な経験だったと思います」としみじみ。

染五郎はとりわけチェリーの俳句の師となるフジヤマ役を演じた山寺宏一の演技に心を打たれたといい、「山寺さんはフジヤマというおじいさんの役と、トムという猫の役もやられている。アフレコの日まで、それを山寺さんがおやりになると知らなかったので、改めていろいろな声をお持ちなんだとすごいなと感動していました」と驚いていた。

好きなシーンに話が及ぶと、染五郎はチェリーが思いを爆発させるクライマックスをあげ、「チェリーを応援したくなるような、『チェリー頑張れ』と思うシーン。演じている間も気持ちが高まって、感情をさらけだした」と述懐。イシグロ監督は「当時の彼は14歳。今日会ったら、声が落ち着いてきたなと思ったけれど、当時は声変わりが終わりかけくらい。その時期の男の子に大声を出させるのは、喉を痛めてしまう可能性もあってリスキーでもあった。3回まわしたけれど、全部全力でやってくれた。すばらしいシーンになっている」と大絶賛だった。

取材・文/成田 おり枝

染五郎、『サイダーのように言葉が湧き上がる』に感無量!