子どもに手間がかからないのに、夫に手間がかかる。

コロナ禍で一気に普及した感のあるテレワークだが、「夫が一日中家にいるのは息苦しい」と感じる妻もいる。ガールズちゃんねるに7月中旬、「夫のテレワークが地獄の人」というトピックが立った。トピ主は1歳半の子どもを持つ主婦で、昨年の4月から夫がずっと在宅勤務だという。

「毎日子どもとは別に大人2人分の昼食を作るのがしんどい」そうで、「自分の分だけなら毎日納豆ご飯でもいいのに……」と、こぼす。また、子どもをやっとお昼寝させて家事を片付け、リビングで休憩しているときに「夫が話しかけてくる」ことにも不満げだ。トピ主は

「唯一の私の休憩時間もゆっくりすることができず、本当に早く出社してほしい!」

と本音を吐露。「同じような方お話ししませんか?」と呼びかけると、共感する妻たちの声が多数寄せられた。(文:篠原みつき)

「明日は出社」と言われて「ヨッシャー!!」って心の中でガッツポーズ

トピック内では、トピ主に共感するこんな本音が相次いだ。

「3歳と5歳いてまだ手間かかるけど、夫が在宅だと私の育児を監視されてるようで息苦しい……」
「仕事のイライラが直でくるからしんどい。こんなに八つ当たりする人だったんだと思って冷めてきた」

中には、「『明日は出社だから』と言われて『ヨッシャー!!』って心の中でガッツポーズしたのに、夜寝る直前くらいに『あ、明日の出社なくなったわ』と言われると泣きたくなる」という人も。「決して態度には出さないように」しているそうだ。夫の不在に一喜一憂する正直な気持ちがよく表れている。

また、昼食作りがしんどいことについては、「お昼作らなくていいんじゃないかな。もっと適当に手抜きしてさ」「うちは冷凍食品とかレトルトカレーで済ませてるよ」というアドバイスも寄せられていた。

2人の乳幼児を抱える母親からは、「パパの仕事部屋に行きたがって号泣する子どもを阻止する」のが辛すぎるというエピソードも。子ども2人は大学生で地方に出ているという人は、「子どもに手間がかからないのに、夫に手間がかかる。(中略)あと10年は先だった老後の生活を、なんで今やらにゃならんのだと」と不満を爆発させていた。「夫のテレワークが迷惑」という妻は、枚挙にいとまがない。

「夫の事は好きだけど……1日に一度は1人になりたい」

こうした声は、生涯の伴侶と選んだ人に対する言葉とは思えないかもしれないが、声を寄せたほとんどの妻は、決して夫が嫌いなわけではないだろう。

「夫の事は好きだけど、誰かとずーっと一緒がしんどい。もっと大きな家ならまだ楽だと思う。1日に一度は1人になりたい」

という声に、主婦である筆者も共感する。トピ主も、「夫のことは尊敬しており、嫌いとか不仲ではありません。悪いのはコロナだと思ってはいます」と追記していた。夫への好き嫌いとは別に、家事の手間が増えることや自分のペースで過ごせないこと、一人の時間が取れないことを嘆いているのだ。ただ、どういう形であれちゃんと働いている夫に対して不満を言うのも気が引ける。そのため余計ストレスがたまるという悪循環がありそうだ。

厚生労働相の資料によれば、「テレワークのデメリット」という調査項目において「運動不足」(46.8%)を挙げる人が最も多く、「夫婦ゲンカが増えた」は1.8%にとどまっている(回答者の既婚、単身の割合は不明)。これは労働者に訊いた結果のため、家族の不満に気付いていない人もいるかもしれない。働き方が多様化するのは悪いことではないが、テレワークがいいことばかりでもないのが悩ましいところだ。

"夫のテレワークが地獄"という妻たちの叫び 「誰かとずっと一緒がしんどい」