夏になると、「ゾッとしたい」「冷や汗をかきたい」といったさまざまな理由から心霊スポットを訪れるなど、肝試しをする人が増えます。

日蓮宗の六尺法師(@6SYAKU_HOUSHI)さんは、毎年夏は心霊スポットに行ったであろう人からのお祓い依頼が急増するとTwitterで明かしました。

僧「ふざけて心霊スポットには行かないで」

心霊スポットに行ってきたと思われる人は、相当な割合で「見様見真似で、とりあえず盛り塩をしておいた」というのだとか。

しかし、六尺法師さんによると盛り塩をしたからといって、お祓いなど寺で行う内容に変更はないといいます。

六尺法師さんは、まずは寺に来てから話を聞くため「余計なことをせず、さっさと寺にいらしてください」とつづりました。

加えて、六尺法師さんは盛り塩についての考え方を明かしました。

「見様見真似でとりあえず盛り塩をしておいた」という報告は、相談された我々側が寺でするお勤めには何の影響もない(盛り塩の有無でやることを変えるわけではない)ので、まず寺に来てから話を聞きますよ、というのがツイートの趣旨です。

盛り塩が結界うんぬんなどというのは、個人の信仰や俗信、地域の民俗学の影響が多分に考えられるので、否定はしませんが、我々専門の僧ですら一元化して一律に語れるものではありません。

また、もうふざけて心霊スポットに行くのをやめる」と誓ってもらうといいます。

ふざけ半分で心霊スポットに行き、何か異変を感じたら自分で解決できず他人に頼ることしかできないのならば、行かないことが1番だと訴える六尺法師さん。

特に夏は、お盆で繁忙期のため余計な仕事を増やさないでほしいと苦言を呈しました。

六尺法師さんは、依頼が多い除霊についてこのように語っています。

除霊・浄霊という単語がよく見られるのですが、そもそも我々伝統仏教教団の正式な僧は、(多少の宗派差、地域差は考えられますが)基本的に除霊や浄霊などという名目で何かすることはありません。

そのため、仮に寺に来ていただいても除霊・浄霊といった名称のことはしない場合がほとんどです。

我々のような宗派という組織に属し、基本を仏教においている立場の人間は、いわゆる『霊感商法』は自発的に積極的にするものではありません。

もちろん求められた場合には、例えば霊とされる対象への供養(仏教でいう成仏を願う)や、縁切りの祈祷(修法)などをすることは大いにありますが、それらは除霊・浄霊といったものとは別のものです。

※写真はイメージ

日蓮宗には、世界三大荒行とも呼ばれる修行があり、六尺法師さんも大荒行を成満してきました。

そこでは、生霊、死霊、狐憑き、疫神、呪いなどへの対処や解除法を学ぶといいます。

そういった立場だからこそ、「心霊スポットなどに行き、厄介ごとになったら除霊・浄霊などというものではなく、シンプルに『もう行かない』ということを寺で誓わせる必要があると思っている」と明かしました。

投稿には、さまざまな声が寄せられています。

・本当にそう思います。周りも迷惑です。

・お疲れさまです。面白半分に来られたらそりゃ怒るよね。

・『君子危うきに近寄らず』ですね。

運転免許を取りたての高校生や、時間とお金に余裕が出てきた大学生から多いという依頼。

心霊スポットといわれている場所の中には、立ち入り禁止の場所や私有地とされており、不法侵入とみなされ罪に問われる場合もあります。

自分で解決できず他人を巻き込んでしか楽しめないのならば、今すぐにやめてもらいたいものです。


[文・構成/grape編集部]

出典
@6SYAKU_HOUSHI
※写真はイメージ