世界中で、新型コロナウイルスワクチン接種が進んでいる。日本でも高齢者のワクチン接種は進んでいるが、65歳以下の人はこれから本格化する。コロナ以前の状態に戻るまでには、まだ時間がかかりそうだ。

 一方で、ワクチン接種が順調に進むアメリカでは、コロナ以前の状態に戻りつつある。多くの州で規制の緩和が進んでおり、なかでもハワイ州は、特にワクチン接種が進む州だ。ハワイ州保健局によると7月17日時点で、ワクチン接種を2回終えたハワイ州の住民は59%(1回目接種率は65%)に達しているという。

 接種率の上昇に伴いハワイ州政府は2020年10月中旬ごろから、アメリカ本土からの入国規制を徐々に緩和。それにより、本土からの観光客がハワイに押し寄せ以前の活気が戻りつつあるようだ。

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 「昨年のワイキキは、人もまばらでオープンしているお店はどこもガラガラでした。観光客がいないので仕方ないですね。ロックダウンの期間中は街に人の姿はなくゴーストタウンのようでした。今では、観光客がだいぶ戻ってきましたね。ワイキキビーチは多くの人でにぎわっています。レストラン前の行列を見ると日常が戻ってきたと感じます。道路の渋滞もひどくなってきて、観光客のいない静かな環境が懐かしいです」(ハワイ現地住人)

 コロナ以前の日常が戻りつつあるハワイだが、まったく元の通りとはいかないかもしれない。2020年にはハワイ州でもアメリカ本土と同じように、厳しいロックダウンが2度実施された。ロックダウンの期間中、飲食店や小売店は店内営業停止(テイクアウトのみの営業はOK)に追い込まれ、大打撃を受けたという。ワイキキに店舗を持つ店はもともと観光客をターゲットにしているところが多く、観光客が戻るのを待たずして閉店する店も少なくなかったという。ここ数カ月で営業再開する店が増えてきたが、賃料の安い場所に移転するなど、元の店舗から撤退する店が相次いでいるという。

 「街の様子が以前と変わったなと感じます。特にワイキキ中心部は、多くのお店がひしめき合っていましたが、今では『閉店』『テナント募集』『休業中』の張り紙が目立ちます。日本食レストランが多く入店していたレストラン街、ワイキキ横丁が閉店になってしまったのは寂しいですね。それでも空いた店舗に新しい飲食店が入店するなど、お店の入れ替わりが激しい印象です。今手元にあるグルメガイドは参考にならないかもしれません。5月末から屋外でのマスク着用義務が撤廃されましたが、室内では今もマスク着用義務があります。意外と皆守っているので驚いています」(ホノルル在住日本人)

 日本でも、ハワイは人気の旅行先だ。ハワイ州政府の新型コロナウイルスポータルサイトによると、現在、日本国内居住者がハワイに入ることは可能だ。しかし入国後、10日間の自己隔離が必要だ。この隔離措置を免除するには、ハワイに入ってから72時間以内にハワイ州保健局が指定する医療機関で陰性証明を取得し、提出する必要がある。ハワイに行くには一手間かかるというのが現状だ。

 ハワイ州知事は、ハワイ全住人の2回目接種率が70%に達した時点で、入国規制をすべて撤廃すると宣言したそうだ。『G13FOX』などが6月4日に報じている。日本人が気軽にハワイ旅行に行けるようになるのは、その頃になるのかもしれない。

記事内の引用について
ハワイ州政府保険局サイト ハワイ州新型コロナウイルス情報
https://health.hawaii.gov/coronavirusdisease2019/current-situation-in-hawaii/
ハワイ州政府 新型コロナウイルスポータルサイト 「ハワイ旅行の概要」より
https://hawaiicovid19.com/travel/travel-overview/
Hawaii to drop COVID-19 restrictions for travelers once 70% of population is inoculated(G13FOX)より 
https://www.q13fox.com/news/hawaii-to-drop-covid-19-restrictions-for-travelers-once-70-of-population-is-inoculated

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