「チャパグリ」は、韓国のインスタント麺「チャパゲティ」と「ノグリ」の2品を混ぜて作るアレンジメニューです。2019年に公開された韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の劇中に登場し、一躍有名になったのをご記憶の人も多いと思います。

 ちなみに、「チャバゲティ」は1984年に誕生。それまで韓国人にとって憧れの外食だった汁なしのチャジャン麺を、家庭で食べられるように即席麺にしたことで大人気に。真っ黒な麺で、辛くもしょっぱくもなく、焦げたような香ばしさが特徴です。一方、「ノグリ」は、1982年に誕生した海鮮ダシの辛いスープラーメン。

 発売以来、どちらも韓国の家庭では常備品に近い人気に。そして2000年代に入り、突如この2つを混ぜた「チャパグリ」(チャパゲティ+ノグリ)のレシピが話題になって、アレンジレシピとして定着したようです。

左がノグリラーメン、右がチャパゲティ。どちらも発売元は辛ラーメンを出している農心
左がノグリラーメン、右がチャパゲティ。どちらも発売元は辛ラーメンを出している農心

 そして2020年、映画の大ヒットで、「チャパグリ」は世界的に知られることとなり、発売元の農心が、とうとう「チャパグリ」のカップ麺を商品化。その味わいは、以前、食楽webでお伝えしたとおりです。

「チャパグリカップ」はどちらかというと甘辛い味でした
「チャパグリカップ」はどちらかというと甘辛い味でした

 その「チャパグリカップ」は、あまり辛くありませんでした。「農心」の代表作「辛ラーメン」の突き抜ける辛さや、「ノグリ」のじわじわ響く辛さはなく、どちらかというと「チャパゲティ」の甘さとコクが強く出た商品でした。

 辛党の筆者としては、やや辛さに物足りなさを感じたのも事実です。そんな声が届いたのか、最近、激辛バージョンの「アングリーチャパグリカップ」が登場。先日、カルディで見つけて即買いしてきたので、どんな味なのか、ご紹介していきましょう。

「アングリーチャパグリ」の味やいかに?

カルディで売られていた「アングリーチャパグリ」
カルディで売られていた「アングリーチャパグリ」

 筆者はこれまで「農心」の製品をいろいろ食べ比べてきましたが、もっとも辛かったのは、何をおいても「アングリーノグリ」(汁あり)でした。これは「辛ラーメン」と比べてもずっと辛く、そして美味しかったのを覚えています。

「辛ラーメン」(左)と、「ノグリ」の激辛バージョン「アングリーノグリ」
辛ラーメン」(左)と、「ノグリ」の激辛バージョン「アングリーノグリ

 今回の「アングリーチャパグリ」にも、“アングリー”という辛さの代名詞たる単語が冠されているので、いやが上にも期待が高まります。

 さっそく作っていきます。といってもカップ麺なので、お湯を沸かしてカップに注ぎ、湯切りをして、粉末スープと調味油を入れるだけ。

熱湯を入れて4分後、湯切りし、粉末スープと調味油を入れます
熱湯を入れて4分後、湯切りし、粉末スープと調味油を入れます

 出来上がった「アングリーチャパグリ」がこちら。カップの内側に広がる赤黒いソース。黒く染まった麺。なかなかシュールなビジュアルです。ナルト風のたぬきが唯一の癒やしといった感じですね。

ソースと麺をぐるぐるかきまぜると黒々してきます
ソースと麺をぐるぐるかきまぜると黒々してきます

 このように韓国カップ麺は、総じて見た目はあまり美しくはありません。が、味わいは格別。

 さっそく麺をすすると、いきなりブハッとむせてしまいました。そして間髪を入れず辛さが襲来。思わず「ヒィ~」と悲鳴を上げたくなるような辛さです。が、あえて気にしないようにどんどん食べ進めます。

激辛ソースと太麺がたまりません
激辛ソースと太麺がたまりません

 すると、次第に辛さの中に海鮮ダシの風味がじわりじわりと響いてきます。もっちりした太麺に激辛ソースがねっとりと絡まっていて、筆者が好きな「アングリーノグリ」に近い味わい。そこに、チャパゲティの香ばしさも追随。

 以前の「チャパグリカップ」に比べると、辛さを強くした結果、甘さや香ばしさのバランスが良くなった気がします。ここで1つ足りないとしたら酸味。

チューブ型の「刻み紅生姜」を入れてみたら、かなりハマります
チューブ型の「刻み紅生姜」を入れてみたら、かなりハマります

 そこで、紅生姜を入れてみました。これが大正解。辛さと酸っぱさが同居して、味に奥行きが出るんです。

 ちなみに食べ終わっても20分くらいは辛さが続きますが、この時間も味のうち。また食べたくなるのです。

 というわけで結論です。筆者は、普通のチャパグリカップより、「アングリーチャパグリカップ」のほうを断然おすすめします。

(撮影・文◎土原亜子)

食楽web