
近年、映画やドラマに出演作が途切れることがない奈緒と磯村勇斗。どちらも役への理解度が深く、作品ごとにさまざまな“顔”を見せてくれる、非常に魅力的な俳優だ。そんな二人が初共演を果たしたのがWOWOWオリジナルドラマ『演じ屋』。実力派として製作陣からの評価も高い二人は、現場でどんな共鳴を見せたのだろうか――。
奈緒、磯村共に脚本の面白さに感嘆
依頼された役になり切るという職業「演じ屋」。奈緒は「演じ屋」の一員としてさまざまな役になり切る女性・アイカを、磯村は結婚式前日に痴漢の冤罪ですべてを失い、ビルの屋上から飛び降りようとしたところでアイカと出会い、その後「演じ屋」の仲間に加わるトモキを演じる。
現実的でありつつ、ファンタジックな風味もある不思議な世界観の本作。奈緒は「社会的な問題を描くなかで、人の過去の傷やトラウマという精神的なことがしっかり描かれている作品だと思いました」と脚本を読んだときの印象を述べると「監督の野口照夫さんが、とても優しく気配りの素敵な方。悪党も出てきますが、野口監督の人柄が出ているような、作品全体に人の優しさが感じられる物語です」と特徴をあげる。
磯村も「すごく面白い脚本でした」と目を輝かせると「設定の面白さと、きれいごとだけではない暗部もしっかり描かれているので、演じるうえではとても楽しみだなと思いました」と脚本を読んだときの感想を述べていた。
初共演ながらも互いの芝居を絶賛
出演作が途切れない飛ぶ鳥を落とす勢いの奈緒と磯村だが、本作が初共演となる。クランクイン前のコメントで、互いに「撮影が楽しみ」と話していたが、実際共演して、どんな思いが胸に去来したのだろうか――。
磯村は「楽しかったですよ」と笑顔を見せると「周りを見る力がある方で、気配り上手なので、芝居を受けることに対して、すごく冴えている。僕としては安心して仕掛けることができました。初めてなのに信頼感があり、本当に面白かったです」と次々と賛辞が口からこぼれ出てくる。
一方の奈緒も「本当に安心感があるんですよね」と同調すると「磯村さんのお芝居って、決め事がないというか、そこに佇んでいてくださるので、自由度が高いというか、その場で生まれるものがすごく豊かなんです。だからこそ、アイカとして反射的に感じたことを表現できるし、それをしっかりと受け止めていただけるのはありがたかったです」と感謝を述べていた。
劇中、アイカとトモキは徐々に相手を信頼していくという関係性だ。「最初はトモキに対してそこまで信頼を置いていない間柄だったので、脚本を読んだとき、うまくその距離感が表現できるのか不安もあったのですが、磯村さんとお芝居をしていくにつれて、自然と関係性が描けていけたのは、本当に助けられました」。
出演作が続く奈緒と磯村の役と役の切り替え方法とは
2021年は、現在解禁されている作品だけでも、奈緒は7本の映画、磯村も現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』での徳川第14代将軍・徳川家茂役をはじめ、映画やドラマに引っ張りだこだ。しかも、作品ごとに役柄の振れ幅も大きく、切り替えはどうしているのだろうか――と素朴な疑問が湧く。
奈緒は「あまり切り替えを意識したことはないですね」と笑うと「新しい役に出会うたびに、その役のことはもちろんですが、自分のことも深く知りたいと思うんです。
例えば演じる役が、人生の選択をする際、自分だったらどうするだろう……みたいなことも考えるんです。役だけに没頭してしまうと、見失ってしまうことも多いのかなと思うので、自分ならどうするだろう……という視点を持ちながら演じています」とスタンスを述べる。
磯村は「僕は自分自身にあまり興味がないんですよね」と自嘲気味に語ると「役をいただくと、自分という器を、その役に貸してあげるという感じですね。役に入り込んでもいいのですが、どこかでもう一人の自分は置いておきたいという思いで演じています。その意味では、意識はしていませんが、切り替えはできているような気がします」と語っていた。
前に進むための原動力
本作の登場人物たちは、ある意味で“負”の感情が、前に進む原動力になっている。充実一途の奈緒と磯村にとっての、俳優業におけるモチベーションとは――。
磯村は「失敗や羞恥心、恐怖みたいなものじゃないですかね」とつぶやく。
真意を問うと「うまくいったなと思うと、どこかで満足してしまう自分がいるんですよね。僕自身は『できなかった』と感じた時の方が、前に進めるような気がします」と語る。
磯村の発言に奈緒も「似ているかもしれません」と前置きすると「私は、まだ自分が知らない幸せが原動力になっているんです」と発言する。続けて奈緒は「もちろん、美味しいものを食べたいとか、やりたいことを思い切りやるというのも原動力になると思うのですが、困難や壁を逃げずに乗り越えられたなら、もしかしたら自分の知らない幸せに出会えるんじゃないかなという思いもあるんです」と語る。
正解がないと言われる芝居の世界。ある意味で、奈緒も磯村も答えがない難解さが、俳優業へのモチベーションになっているのではないだろうか。磯村は「まさにそれが魅力でもあり、大変なところなんですよね」とうなずくと「これまでは小さな壁がたくさんあって、それを一つずつ乗り越えていく感じだったのですが、俳優の仕事を続ければ続けるほど、壁が大きくなっていくので、一枚越えるのにも時間がかかるんです」と苦笑い。
奈緒も「お芝居って、なんかうまくいったなってことがないんですよね」と悩ましい顔を浮かべると「だからこそ、ずっと続けていきたいと思えるのでしょうね。困難な役に立ち向かうと、それが自分の私生活にリンクすることもあり、自然と乗り越えなければいけない壁になっていることもある。常に役に影響を受けながら自分の人生も進んでいるなという実感はありますね」と難しさと楽しさが入り混じった俳優業の魅力を語っていた。
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取材・文:磯部正和
撮影:友野雄(Yu Tomono)
<奈緒>
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