平和の祭典のはずの東京五輪で、韓国の選手団による行動が五輪憲章違反ではないかと問題視される一幕があった。中国でもこれは話題となったが、中国メディアの網易は23日、「中国人が韓国人を真似したらどうなるか」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、韓国選手団による横断幕問題に触れ、「中国で言えば日本で大刀行進曲を流すようなもの」と問題の大きさを伝えた。「大刀行進曲」という曲は日中戦争時代、中国側が士気を高めるために作った愛国精神の強い軍歌だ。平和の祭典でなくても、わざわざ日本でこのような曲を流せば問題となるだろう。

 中国は反日感情を持つ人が多いとされるが、一般の中国人はスポーツの試合で、ましてや、五輪で日本を刺激するようなことはタブー視しているようだ。記事は、これまでに韓国人が行ってきた国際的なスポーツの大会での政治的主張のいくつかを紹介した。

 2012年のロンドン五輪では、サッカー代表の朴鐘佑選手が日韓戦の勝利直後に「独島(日本名:竹島)は我々の領土」と書いたメッセージを掲げ、出場停止と罰金の処分を受けたことや、野球でも挑発的な言動で日本人選手を怒らせたことがあると伝えている。中国でも韓国選手団は同様の行動をしたことがあったとし、それゆえ、中国人に忘れられない記憶を残したことを指摘した。

 では、中国は「韓国の真似」をするべきなのだろうか。記事は「五輪開催の目的は、世界の団結のはずだ」と指摘している。五輪を政治利用するとしたら、開催の意義はなくなるとして、スポーツと政治は分けて考えるべきとの意見を示した。反日感情を持つ人が多い中国だが、さすがに五輪の政治利用はやりすぎだ、と考えている人は多いようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

韓国選手団による横断幕問題に「中国が日本で大刀行進曲を流すようなもの」=中国