先月半ば、アメリカで時速約193キロものスピードを出した車が赤信号を無視して交差点を直進、すでに進入していた車をためらいもなく破壊して通過していく事件が起きた。
まるでコントロールを失ったかのように減速もせず、衝撃のスピンも放置で道路を滑る車。その運転席にいた女性の奇妙な供述が物議をかもしている。
後に捕まった女性は、信じがたいことに助手席に自分の子どもを同乗させていた。
それだけでも十分ショックだが、なんと彼女は動機について「神への信仰を試す」ためだと警察に告白。わざとハンドルから手を放して「神に車の運転を託した」と述べたのだ。
Woman let GOD take the wheel to test her faith by drivng 120mph into 2 cars & house with 12yr-old
青信号で直進しかけていた赤色の車に対し、左から猛スピードで黒い車が突っ込んできた。赤い車のフロント部分は大きく破損。ライトは片方吹っ飛び、ナンバープレートもはがれ落ちてしまったようだ。
暴走車は衝突の勢いで半回転しながらも、止まることなく走り去っていった。
警察によるとコントロールを失ったらしきこの車は その後スピンしたまま電柱や別の車にも衝突、さらに付近の住宅に衝突してようやく止まったという。
赤信号どころか目の前の車すら意に介さない異様な走り。ためらいも減速の気配もないあたりにそこはかとない狂気を感じる。
一方、気の毒なのは巻き込まれた運転手だ。ただ普通に走っていただけなのに、こんな恐ろしい目に遭うとは夢にも思わなかっただろう。
母親が助手席に娘を!?事故直前の様子もカメラで判明
この事故についてオハイオ州ビーチウッド警察は「信じがたいクラッシュ現場」と述べ、さらに暴走運転をした女性(31歳)は、助手席に11歳の自分の娘を乗せていたことを明かした。たが幸いなことに、その親子も、ぶつけられた被害者も、周辺住人にも怪我はなかったという。
更に、フォード・トーラスとみられるこの暴走車の直前の動きが、同じ道路上にある別の交通カメラにも記録されていた。
その映像からは左折しようとする白い車を猛スピードでかすめるように直進、そのまま交差点に入った車に衝突する様子がみてとれた。
「神にハンドルを託した」時速193キロで手放し運転をしていた
もはや正気の沙汰とは思えぬ運転だが、逮捕された女性は、警察の取り調べに対し時速120マイル(約193キロ)ものスピードで交差点を通過した件をすんなり認めた。ついでにいうと彼女は免許停止中だったらしい。ところが後の供述は奇妙な方向へと進み、警察を混乱させることになった。
報告によると、女性は警察に「神への信仰を試す」ために、意図的に猛スピードで赤信号を無視したと述べた。
さらに彼女いわく、自分は「いくつかの試練や苦難」を経験しており(その一例としてのつもりなのか)最近仕事をクビになったという。
そして女性は、車のハンドルから「手を放して神に操作させた」と言い、自分は正しい行為をしたと信じている、と付け加えたそうだ。
ええ、どういうこと?ちょっと何言ってるかわからない。
それでもあえて推察するに、本来信心深い女性であろう彼女は、近ごろつらい事ばかりに見舞われていたため神への信仰心が揺らぎつつあり、それを確かめたいがために、危険を承知で車にわが子を乗せ、アクセルをめいっぱい踏み込んで神にハンドルをゆだねてみた、ってことなのだろうか?
その結果、自分と見知らぬ誰かの車は壊れたものの死者ゼロ。だから今回の自分の行いは正しかったと確信した、ようだ。
なお問題の女性は、事故直後に娘と一緒に病院で軽い怪我の治療を受けたが、薬物やアルコール中毒などの徴候はみられなかった。また娘はより詳しい検査のために小児病院に運ばれたそうだ。
母親は今回の事故で、重罪に相当する暴行罪、子どもを危険にさらした罪の他、免許停止中の運転の罪に問われるという。
アメリカで多発?信仰心を試す手放し運転事故
自分はおろか子どもや他の人まで巻き込む「信仰心チャレンジ」事案には言葉を失うばかりだが、現地メディアによると実はアメリカにおいてドライバーの手放し運転によるクラッシュ事故は案外多く、一般に考えられている以上に起きてるそうだ。たとえば2020年にはペンシルベニア州の女性が「信仰の試練」として自身の運転する車を他の車に衝突させる事故、また 2018年にはテネシー州の男性が手放し運転でトラックを5回転させる事故を起こしたという。
References:jalopnik / ktlaなど /written by D/ edited by parumo
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