菅義偉首相が「感染状況が変わったらぜひ有観客で」と語った8月24日に開幕するパラリンピック

 厚労省感染症対策アドバイザリーボードメンバー京都大学大学院医学研究科の西浦博教授が(44)が、「週刊文春」の取材に、このまま感染拡大が続けばパラリンピックについて「『有観客』以前に、開催にこぎつけることが出来るかどうか、非常に厳しい状況だと言わざるを得ません」と語った。

 7月27日東京都2848人と過去最多の新型コロナウイルスの新規感染者数を記録した。西浦氏が言う。

「前週比で増加率約1.3倍が続けば、東京の感染者数はパラリンピック開幕直前の8月21日には5235人となる。経験したことのないスピードで、今後も感染者数が増えていくことが予想され、次々と一般病床が埋まっていきます。都は『確保病床数』を約6000床と発表していますが、この病床はすぐに使えるわけではありません。実際にすぐ患者を受け入れられる一般病床は2600床ほどで、既にこの病床数は超えてしまいました」

 これからは入院調整中の患者や、自宅療養者が増えていくことになるが、ここで想起されるのが、第四波の大阪府の惨状だ。病床が逼迫し、一時、患者のうち入院できた人の割合を示す入院率は10%を下回ったという。待機中に亡くなった患者も多い。西浦氏はこう危惧する。

「第四波の大阪のように、どこの病院のベッドも空いていない状況になったならば、オリパラ関係者の間で重症患者が出たとしても受け入れられません。もちろん一般市民の命も、危険に晒すことになる」

 止まらない感染拡大に、西浦氏はこう懸念している。

医療崩壊に近づいた時は、躊躇なく『いますぐ中止しないと危ない』と提言しようと、関係する医師や専門家では申し合わせています」

 なぜ東京都で感染が急拡大しているのか、病床がこんなにも早く満床になってしまうのはなぜか、重症者・死亡者数の見通し、政府は今後どんな感染対策を取るべきなのか――。西浦氏のインタビューは、7月28日(水)16時配信の「週刊文春 電子版」及び7月29日(木)発売の「週刊文春」が報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年8月5日号)

感染拡大に危機感を抱く西浦氏 ©共同通信社