もしも夏コミケがあったなら……

 コロナ禍において自宅で過ごす時間が増え、アニメや漫画、ゲームに触れる機会が多くなったという人も多いだろう。実際この1年ほどを振り返ると、社会現象となった『鬼滅の刃』を筆頭に、人気アニメなどの話題が例年以上に目立っていた印象だ。

 一方で2019年冬以来、“オタクの祭典”とも言われるコミックマーケットコミケコロナ禍の影響で開催できない状態が続いている。コミケの会場で華を添えていた「コスプレイヤー」たちにとっても、ビッグイベントのひとつが新型コロナによって奪われているかたちだ。

もしも夏コミケがあったらこんなコスプレをしたかった」という思いもあるはず。そこで今回は、コミケに参加した経験のある女性コスプレイヤーたちを直撃。コロナ禍での心境や、とっておきのコスプレ写真を紹介してもらった。

◆自宅でメイクの練習、コスプレクオリティアップを図る

「以前はコスプレイベントに月2回ほど参加をしていましたが、この1年はコスプレイベントが中止になることが多く、自宅でコスプレをすることが非常に増えました」とは、月野のあさん(Twitter@Noa___O912)。

 コロナ禍の前は撮影会のモデルや企業のコンパニオンを務めるなど、幅広いコスプレの活動や仕事をしてきたという。

新型コロナの流行で、いただいていたお仕事のほとんどが延期・中止になり、とても悔しい思いをしていました。その間に、コスプレをするキャラに少しでも雰囲気を寄せられるよう、メイクの練習などに時間を使いましたね」

 このタイミングを前向きに捉えた月野さんは、空いた時間を有効活用。従来の仕事のほか、月1回ほどのペースで撮影会に参加、最近は少しずつコスプレイベントも再開しつつあるようだが……。

「それでも以前に比べて少なく、まだまだ家でコスプレをすることが多いんですけど。撮影会でカメラマンさんと交流させていただく機会は貴重ですし、毎回楽しく参加させてもらっております。感染状況などの様子を見ながらになると思いますが、よろしければ撮影会にも来ていただけると、とても嬉しいです!」

◆『Re:ゼロから始める異世界生活』のレムちゃんをやりたかった

 ここ数年、月野さんは特に『Re:ゼロから始める異世界生活』のレムというキャラクターコスプレがお気に入りらしく、「もしも夏のコミケがあったらレムちゃんのコスプレをしていたと思います」と語る。

「『ラブライブ!』や『呪術廻戦』にもハマっているので、そのキャラたちもやっていたかも。イベントに参加するのが好きなので、早く参加できるような環境になったらいいなと思います。TwitterInstagram@noa___o912)では自宅でのコスプレ写真を載せています」

◆宅コスやオンライン併せがトレンドに

 2人目は、2017年冬コミでも撮影させてもらった真白ゆうさんTwitter@blanche0u0)。

 コロナ禍より前は、東京都内のコスプレイベントや、スタジオでの撮影会などにモデルとして参加。コスプレを披露してきたという。

「もともと私が参加していたイベントは、来場者数が多いところばかりで、不特定多数の方々にコスプレを撮影していただく機会が多かったです。ほとんどの場合、列に並んでもらって『1人につき◯枚まで』というように、撮影枚数などに制限つけて撮影していただくかたちでした」

 しかし、そうした大規模なイベントコロナ禍で軒並み中止に。撮影スタジオも休業してしまい、新型コロナ流行の影響は大きかったようだ。月野さんと同様、真白さんも主に自宅などでコスプレをして、TwitterなどのSNS自撮り写真を投稿する機会が増えたと語る。

ライブ配信アプリコスプレする機会が増え、Zoomなどを用いて複数人で同じ作品のキャラクターコスプレをする“オンライン併せ”をやる方も多かったです。撮影スタジオの営業が始まってからは、人数制限などの感染対策を徹底しながらコスプレの併せをしたり、1対1で広いスペースを借りて撮影会を行ったりしてきました」

 コスプレイヤーたちの間で“宅コス”といったリモートでのコスプレ活動が盛んになった結果、図書館や空などの風景がプリントされた「背景布」や自撮り用の三脚、簡易的な照明などの需要が増えたという。

コロナ以降、イベントに参加されているコスプレイヤーさんはキャライメージにあったマスクをつけたり、コスプレに合わせてマスクを自作されたり、みなさん工夫されていますね。まだまだ大規模のコスプレイベントは少ないうえ、タイミングが合わなかったこともあり、私はリアルイベントになかなか参加できていないのが現状です」

◆『ウマ娘』はコスプレイヤーにも人気

もしも夏コミケがあったら、私は競走馬擬人化したアプリゲームウマ娘リティダービー』のライスシャワーちゃんのコスプレをしたかったです」

 ゲーム同様、ウマ娘コスプレをするコスプレイヤーは多いそうだが、真白さんは宅コスやライブ配信に出演した際にコスプレした程度。まだ大きなイベントでは、お披露目したことがないそうだ。

「たくさんのキャラクターと一緒に、競馬場で撮影をしてみたいです! あとは漫画『東京ミュウミュウ』の碧川れたすちゃんのコスプレも着たいと思いました。一度、スタジオで撮影していただいたのみで、やはり大きなリアルイベントでは着たことがないので。原作自体は少し昔の作品ですが、リメイク版が2022年に放送予定とのことで、放送もリアルイベントコスプレができる日も待ち遠しいです。放送開始の頃にはイベントが無事に開催されるよう、願うばかりですね」

 次のコミックマーケット99は、2021年冬の開催を目指していると発表されている。

<取材・文/伊藤綾>

【伊藤綾】
1988年生まれ道東出身。いろんな識者にお話を伺ったり、イベントにお邪魔するのが好き。SPA!やサイゾー、マイナビニュース、キャリコネニュースなどで執筆中。毎月1日に映画館で映画を観る会”一日会”(@tsuitachiii)主催。

―[コミケがなかったコスプレイヤーたちの夏]―


2021年夏、コミックマーケット(コミケ)が開催されなかったコスプレイヤーたちは……?