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今月17日にロシアで撮影された砂嵐を捉えたかのようなある映像。驚くことに映っているのは砂埃ではなく、全て蚊だというのだ。ロシアの極東地域では毎年夏になると見られるお馴染みの光景というが、衝撃的な映像にネット上で大きな話題を呼んでいると『WZTV』などが伝えている。

驚きの映像が撮影されたのは、ロシア極東のカムチャツカ地方の集落ウスチカムチャツク。撮影者で同地域在住のアレクセイ・ポノマルヨフさん(Alexei Ponomarev)は地元メディアに対し「今朝早く家を出ると、ご覧の通り蚊の大群のど真ん中にたどり着いてしまったんです。車の窓を開ける勇気はなかったですね」と当時の状況を語る。

アレクセイさんは車を運転中に蚊の大群に遭遇したそうで、撮影した動画には画面いっぱいに大量の蚊が飛び交っている。中央奥には竜巻のような巨大な柱がそびえ立っており、この柱も蚊の大群によるものだという。

「この柱がどのくらいの高さなのかは分かりませんが、雲にまで届きそうな高さでしたね」とアレクセイさんは話しており、蚊の大群は柱を形成しては霧散し、再び柱を作り出すという行動を繰り返していたとも明かしている。

地元の昆虫学者リュドミーラ・ラバカヴァさん(Lyudmila Lobkova)は、この現象について「飛んでいるのはオスの蚊なので恒温動物の血を吸うことはなく、単に交尾のために1匹または数匹のメスの蚊の周囲を飛び回っているのです」と人に危険はないと述べている。

オスの蚊は今回のように円柱形の群れを形成し、その中で翅(はね)の振動数の低いメスの蚊を見つけると、ペアになって群れから離脱していくという。蚊は視覚的に捉えられる目印を基準に上昇することで柱を形成する傾向にあり、今回の場合は道路上の水溜まりを目印にしているようだ。

同地域はカムチャツカ川ほとりの湿地帯にあり、夏になると蚊が大量発生することで知られている。地元の人は同地域の蚊はかなり攻撃的だと明かしており、土砂降りの大雨が降ろうと関係なしに外にいる人を吸血するという。また家のドアや窓には網戸などを張っているにもかかわらず、屋内にも侵入するそうだ。

今回のような光景は毎年恒例となっているようで、昨年も蚊の大群を撮影した動画がSNS上で話題になっていたという。

アレクセイさんも「毎年真夏にこの現象は発生します。今回は雨上がりに発生しました」と明かしており、「今年は例年よりも数が多いような気がしますね」と不安を口にしている。

この映像を見た人からは、「この地域は綺麗な場所だけど、夏に訪れるのはやめた方がよさそうだね」「悪夢のような光景だ」「普通に怖いよ」「絶対に行かない場所リストに追加しておこう」といった声があがっている。

画像は『Radio Free Europe 2021年7月20日付「MosquitoTornadoes’ Storm Russia’s Far East」(Siberian Times(Courtesy Image))』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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