大規模水害に見舞われた鄭州が、二次災害とも言える状況に陥っている。電子決済化が急速に普及した中国だが水害による停電により、SNSも使えず、買い物やタクシー、地下鉄に乗ることすらできなくなっているというのだ。中国メディアのテンセントが、現地の状況を報じている。

 現地で停電やインターネット回線が寸断されたことで、モバイル決済ができなくなっているという。必要なものを買い物に行きたくても、手元に現金がなく、店側にもお釣りがない状況が多発しているという。

 記事では、街の様子を伝えている。スーパーの店頭で、「今はアリペイは使えません!現金のみの取り扱いになっています」と店員が繰り返し説明する様子を報じている。

 さらに、現在鄭州のタクシーも電気に移行したため、今回の停電でタクシーの充電システムが破壊され動かなくっている。そのため、街ではわずかに残った電気を頼りにタクシーを走らせているドライバーも多く、中にはタクシー代を不当に釣り上げている業者もいるという。

 また、タクシー運転手もカーナビに頼って道を覚えていないため、タクシーに乗ろうとしても、「インターネットがつながらず、道がわからない」と言われる状況が続いているようだ。

 記事は、「中国ではモバイル決済や、電気エネルギーへの移行が急速に進められており、現在中国全でのこの政策が推し進められている。今回の水害により、このシステムの脆弱性が露呈した」と報じている。(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)

大規模水害の中国鄭州でインフラ寸断 電子決済やインターネットに接続できず=中国メディア