「しなくていい苦労はするもんじゃない」

“若い時の苦労は買ってもせよ”と頻繁に耳にするが、苦労なんて好き好んで経験したいものではない。ガールズちゃんねる7月28日「苦労は買ってまですべきですか?」というトピックが立った。

世の中は結果が全てであり、その過程である努力や苦労などは注目されないため、苦労は買ってでもするべきという風潮に対する違和感を語る22歳のトピ主。大変な環境に身を置いて挑戦するより、居心地の良い環境の中で適度に努力する人になりたいという。(文:石川祐介)

喜びにつながる苦労はしても良い

アドバイスを求めたトピ主に対し、トピック内のコメントは「買ってまでしなくていいです。自然に苦労します」「しなくていい苦労はするもんじゃない」など、主張に同意する声が相次いだ。とはいえ、苦労をあえて選ぶことを勧める声も少なくない。

「無駄な苦労はしたくないけど、必要な苦労ならした方がいいかな。若い頃に国家資格取れば時給に見合った仕事に就けるから」
「自分の精神が喜ぶような苦労(例えばダイエットとか勉強とか)はしたいけど、宝くじ当たったのにわざわざブラック企業に働きに行くみたいな無駄な苦労はしたくない」

メリットが見えている場合なら、むしろ積極的に苦労する姿勢を見せる人は多かった。中には、

「私も祖母に良く言われた。買ってまでしたくない。昔はそう思わないとやっていけない、やるせないことが多かったんだろうなって思う」

と、昔の人の苦労に思いを馳せる人も。確かに今ほど教育やインフラが整備されていなかった時代は、自分自身で勉強を頑張ったり、どこかへ行くにも大変な労力がかかったりしていただろう。しかしトピ主のような若い世代には、疑問符がついてしまうのも仕方ないかもしれない。

「苦労して性格が悪くなった人をたくさん見てきた」

また、あまりにも苦労するとデメリットがある、過剰な苦労は性格を歪めるという主張も出ている。

「苦労して性格が悪くなった人をたくさん見てきたから、『苦労なんかするもんじゃないな?』って思ってしまいます」
「買わなくていいよ。苦労して人の痛みが分かるとか無い、卑屈になったり病んだりする。私は貧乏低学歴毒親の下に産まれ大変な思いした、何も良い事なかったよ」

とりわけ、自分で選択していない理不尽な苦労は性格を歪めるリスクがあるという声も。「虐待、いじめ、家族の身体障害、精神障害と苦労はいっぱいしてきました。結果、今は私まで精神科のお世話になっています」と、精神を病んでしまったことを明かす人もいた。

日本では根性論が未だに根強く、精神面に訴える言説が珍しくない。確かにトピ主が望む”居心地の良い環境の中で適度に努力する人”になるためには、ある程度の苦労も必要だろう。ただ、本来はデメリットでもある苦労を、あたかもメリットであるように言うのは、個人的にはナンセンスだと感じる。

こうした言葉を鵜呑みにせず、「買っても良い苦労」は冷静に選ぶことをおすすめしたい。

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