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「女性の話は長い」などの発言が“差別的”と世界中で非難され、東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会の会長を辞任することとなった森喜朗前会長(84)。8月2日に配信された記事で「後任を考えた」と自身に人事権があったことを仄めかし、疑問の声が相次いでいる。

読売新聞オンライン』によると森元会長は当時について「辞めるので、後任の人選を考えました。大会まで時間がなく、すぐに決める必要がありました」と回想。そして菅義偉首相(72)の意向も組み、「もう橋本聖子さんしかない」と思ったという。そして橋本聖子現会長(56)は涙を流しながら受け入れたという。

「会長を決めたのは私」と堂々と語り、「橋本会長は泣いていた」と美談のように話している森元会長。しかし彼はさかのぼること2月、JOCの臨時評議員会で元JOC会長の竹田恆和氏(73)や現会長の山下泰裕氏(64)の“話し方”を絶賛したのち、「女性は競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分もやらなきゃいけないと思うんでしょうね」「組織委の女性はみんなわきまえておられる」などと発言。

そうして「女性差別だ」と国内外問わず非難されたが、辞任会見では記者に「面白おかしくしたいから聞いてんだろ?」と凄むなど傲慢な振る舞いを連発。そのため“逆ギレ会見”とも揶揄されていた。

そんな森元会長が人事権を持ち、後任を任命するとはーー。ネットでは森氏を非難する声がこう上がっている。

《「辞めるので、後任の人選を考えました」だって?辞めさせられる人間に人事権なんかあんの?》
《自分の発言がどれほど酷いかということを今もわからないのか。しかも、その後の人事まで握っていて、それをあっけらかんと公表ですか》
《後任人事を決めてる時点で、あまりにもクレイジーなんだけどな》

■いまだ組織内では、森会長の“力”が保持されている?

また組織委のガバナンスを疑問視する声も、こう上がっている。

《だからさあ不祥事で辞任した人が自ら後継を選べるってどんな組織ガバナンスなの?》
不祥事で辞めた人が堂々と後任考えるって、組織委のガバナンスどうなってんの?》
《誠実さや透明性やガバナンスを尊重するまっとうな組織であれば、トップが森喜朗みたいな辞め方をしたら、少なくとも建て前のうえでは組織に一切近づけないようにするところだけど、オリパラ組織委員会の幹部は森喜朗無観客の試合に堂々と招いたりと、むしろすがすがしいくらいの開き直りっぷり》

森元会長は辞任した1ヵ月後、自民党・河村建夫元官房長官(78)の政治資金パーティーで「(河村事務所に)大変なおばちゃんがいる。女性というには、あまりにもお年ですが」とコメント。当時ネットで《年寄りに成ると女性扱いしなくても良いって事を元総理大臣が言った訳ですね……》《女性には若さが伴わなければ性自認さえ否定するのか》との声が上がるなど、再び“渦中の人”となっていた。

さらに現在、彼が組織委の名誉最高顧問になる可能性が浮上している。先月、その件について問われた組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「大会開催に貢献された方々への役職等については、必要に応じて対応することとしているが、個別の人事についてはお答えすることは差し控えたい」と定例会見で言葉を濁していた。

組織委は大量の税金が投入されている公的組織である。それでも、いまだ組織内では森元会長の“力”は保持されているようだ。