夏休みの自由工作を、なるべくラクに、安く完成させたい……!というキッズ&保護者のみなさんに提案!SNSで何度も話題にあがる、注目の砂糖菓子「琥珀糖」を手作りしてみては?作業自体はさほど難しくないけれど、乾燥の工程が必要なので、夏休みのような長い休みを利用するにはぴったりだ。

【写真】乾燥する前は透明でとてもきれい。「この状態がいちばん好き」という人が多いのも納得

琥珀糖」は、伝統的な和菓子のひとつ。見た目の涼やかさから夏のお菓子として親しまれ、表面はガリッと硬く、中はほろりと柔らかいという、不思議な食感が特徴だ。寒天と砂糖、それに水と食紅などの色素だけと、材料はごくシンプル。作り方も単純で、砂糖をたっぷり溶かした寒天を小さく切り分け、乾かすだけ。

といっても、寒天には糸寒天、棒寒天、粉寒天、そして砂糖にも上白糖やグラニュー糖、三温糖など、材料ひとつとってもいくつも種類があり、どれを使うかによって仕上がりが変化し、また作業工程も異なってくる。簡単な作業のようで、それぞれを丁寧に根気よく行わなくては、美しい琥珀糖は作れない。

鍋を火にかけたり、場合によっては包丁の出番もあるため、子供が作る際は大人の見守りが必須。また、数日から1週間ほどかかる乾かす工程では、スペースの確保とほこりがかからない工夫が必要だ。自由研究に取りかかる前に、子供と一緒に準備をしておこう。

<準備するもの>(24×18センチの角型バット1台分程度)

グラニュー糖…300グラム

糸寒天…5グラム

水…250ミリリットル

食紅またはかき氷シロップ…お好みで

クッキングシート

角型バット(底の平らな容器でもよい)

※糸寒天を使用する場合、分量外で戻す際の水が必要。漉し器も用意する。

ヒント:透明度の高い琥珀糖を作るなら、糸寒天がおすすめ。戻す時間を短縮したい場合は、粉寒天を使うとよい。今回は糸寒天を使って作成した。

※写真は、すべて倍量で作っている。が、量が多すぎて管理がとても大変なので、読者のみなさんは分量通り作ることをおすすめしたい。

<作り方>

1.糸寒天を戻す

分量外の水に糸寒天を水でざっと洗い、たっぷりの水に浸して、戻す。浸す時間は、使用する糸寒天の指示通りに。

2.バットを準備する

角型のバットの内寸に合わせてクッキングシートを敷いておく。ここにグラニュー糖を溶かした寒天液を流し込むので、火にかける前に準備しておこう。

3.寒天を煮溶かす

戻した糸寒天はよく水を切り、水(分量の250ミリリットル)と一緒に鍋に入れて火にかけ、煮溶かしていく。沸騰させず、かたまりがなくなるまでよく混ぜる。完全に溶かしたら、漉し器に通す。粉寒天の場合は、漉し器を通さなくてもOK。

ヒント:完全に溶かしたつもりでも、漉し器に通すとわずかにかたまりが残っていることも。少量なら問題ないので、次の工程へ。目に余るほどかたまりが残っているなら、もう少し火にかけて煮溶かそう。

4.砂糖と一緒に煮る

煮溶かした寒天を鍋に戻したら、グラニュー糖を全量加え、火にかける。こちらは沸騰させてもよいが、焦がしてはいけないので火加減は中火に。ヘラでよく混ぜながら火にかけていくと、ぷくぷくと泡立ち、徐々にとろりとした質感になっていく。もったりするまで根気よく煮て、ヘラですくいあげたら糸を引き、最後のしずくが垂れ落ちないくらいになったら火を止めよう。

5.バットに流し入れる

グラニュー糖を溶かした寒天液を、クッキングシートを敷き詰めたバットに流し入れる。厚みの目安は1センチ弱程度。流し入れた液が固まらないうちに、ごく少量の水で溶いた食紅やかき氷シロップで色づけする。

ヒント:食紅やかき氷シロップは、割り箸や竹串などで寒天液とよく混ぜ合わせること。ここで混ぜが甘いと、固まりにくくなり、ベチャッとした仕上がりになってしまう。とくにシロップは混ぜ合わさっているように見えがちなので、気になる人は鍋の中で完全に混ぜ溶かしてしまおう。

6.冷蔵庫で冷やし固める

バットごと冷蔵庫に入れ、1~2時間程度おいて冷やし固める。固まったらバットからはずし、小さく切り分けていく。

ヒント:包丁で切ればキレイな正方形や長方形に、指でランダムにちぎれば鉱石のように仕上がる。型抜きを使えばケガの心配もないので、小さい子供にも安心。

7.クッキングシートに並べ、乾かす

切り分けた寒天をくっつかないようにクッキングシートに並べ、風通しのよい場所で数日間乾かす。ほこりがつかないよう、食卓カバーをかぶせておくとよい。

ヒントときどき裏返すと乾燥が進みやすい。その際は新しいクッキングシートに替えよう。

8.表面が固まったら完成

乾燥し、触っても指につかなくなったら完成!琥珀糖は2〜3週間ほど日持ちする。見映えする容器に移し替えてしばらく鑑賞してから食べるもよし、冷やしたりソーダ水に入れたりしてもよし。自由課題として提出するのもいいだろう。

<さいごに>

お店で買うと割高な琥珀糖も、おうちで作れば安く大量に作れる。とはいえ、たくさん作ると乾燥させるときのスペースも必要になり、ほこり対策を講じるとさらに場所を取るのが難点だ。湿度が高ければ、乾燥に時間もかかる。それなりのスペースを確保したうえで作り始めて欲しい。

工程自体はさほど難しくなく、火の扱いと火傷に注意すれば子供でも十分取り組めるだろう。注意したいのは、寒天、砂糖、水を一度に鍋にかけず、先に寒天を煮溶かすこと。基本の作り方を覚えたうえで、味をつけてみたり、カタチや色づけにこだわったりと、アレンジも可能だ。売り物に負けない、美しい琥珀糖を目指して、親子で特訓してみよう!

ビジュアルも美しい「琥珀糖」。自分好みの色合いで作ってみよう!