カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

no title
 アメリカ・アラスカ州南東部の岩の多い海岸に、まだ若い1頭のシャチが座礁した。シャチは怪我をしているようだが、まだ息がある。

 発見した地元住民らは、連絡したNOAA(米国海洋大気庁)のスタッフが来るまで、なんとかシャチの命をつなごうと、何度何度もも海水をバケツでくみ上げ、シャチの体にかけ続けた。

 結果的にシャチは満潮になる前、高まった潮の流れに乗って、自力で沖合へと戻ることに成功したそうだ。

【シャチが海岸で座礁、地域住民らが救出に奮闘】

 7月29日の朝、アラスカ州のプリンスオブウェールズ島に生息するシャチの1頭が、岩の多い海岸に打ち上げられるという出来事が起こった。

 発見した地元住民らはシャチがまだ生きていることを確認、すぐにNOAA(米国海洋大気庁)に連絡した。

 NOAAが到着するまでの間、なんとかシャチの命をつなごうと、住民たちはシャチが鳥の群れに襲われたりしないよう常にそばで見守った。

 また、NOAAの許可を得て、脱水状態にならないよう、バケツホースシャチの体に海水を浴びせ続けた。

 海藻が張り付いた岩の間で身動きがままならないシャチは、大きさ6メートルほどのまだ若いシャチのようだ。

 岩場で体を傷つけたのか、シャチの体の下に溜まった海水の色は赤く染まっており、怪我の具合が案じられた。

 シャチの窮地に立ち会った、地元に住むターラ・ニールソンさんは、その様子を撮影し、Twitterでシェアした。

 長年、地元に住んでいるがこのようなシャチの座礁風景は目にしたことがないと述べたターラさんは、前夜に発生したアラスカ半島地域のマグニチュード8.2の地震による影響かもしれないと疑問を綴った。

 しかしこれについて、後にNOAAスポークスマンは「関連があるという証拠はない」と述べている。

 救助に参加したターラさんの姪が撮影し、シェアしたTikTokの動画内では、シャチカチカチという音を立てたり、鳴き声をあげている様子が捉えられている。
TikTokで動画を見る

高潮に乗ってシャチは無事に沖合へ

 NOAAは、この日の満潮が午後5時半頃に発生する予定なので、それまでなんとか命をつないで、はシャチが沖合まで、自力で泳ぎ戻ってくれることを願った。

 住民らに守られながら、絶えず海水を体にかけてもらっていたシャチは少し元気になったようで、予定より早めに潮が高まり、午後3時に自力でその流れに乗って海へ帰ることができたようだ。

 こうしたシャチの座礁は珍しいことではあるが、初めてではないようだ。

 NOAAによると、1990年代に2頭のシャチアラスカ湾のターナゲインアームで立ち往生したことがあったが、この2頭も無事に沖合に戻ったということだ。

written by Scarlet / edited by parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

水中生物の記事をもっと見る

ニコラ・テスラの発明品かな?CTで明らかになったサメの螺旋状の腸 - カラパイア

熱波による水温上昇に耐えきれず、体に異変をきたすサケ(鮭)が続出 - カラパイア

未来の水族館はこうなる!?本物そっくりのアニマトロニクスのイルカが登場! - カラパイア

人種差別の懸念から「アジア鯉」の名前が変更になる可能性(アメリカ) - カラパイア

海岸に座礁したシャチを救うため、海水をかけ続ける人々。高潮に乗り自力で海に戻ることに成功(アメリカ)