2年ぶり夏の甲子園、主役は誰だ。
レベルの高い高校生投手がそろう「ドラフト豊作年」といわれる今年だったが、甲子園への道は険しかった。小園(市和歌山)、森木(高知)、達(天理)、畔柳(中京大中京)といった ドラフト上位候補が相次いで地方大会敗退。そんななか注目を集めているのが秋田代表、ノースアジア大明桜の157キロ右腕・風間球打(かざま・きゅうた)だ。
「世代最速男」だが、これまで聖地とは無縁だった。昨夏の県独自大会で優勝も、コロナ禍の影響で甲子園開催が中止。今夏の秋田大会は3試合に登板して26回を投げて32奪三振3失点と圧倒。決勝でも秋田南を力でねじ伏せて完封し、3年最後の夏に念願の全国切符を勝ちとった。
組み合わせ抽選の結果、第3日(8月11日)第1試合で帯広農(北北海道)との対戦が決定。勝ち進めば、2回戦は明徳義塾(高知)と県岐阜商の勝者。3回戦には愛工大名電(愛知)らがいる強豪ブロックに入った。「甲子園でどれだけ投げられるかというのはすごく楽しみ。158キロを出したい」。2001年夏に日南学園・寺原(元ソフトバンク)がマークした甲子園最速更新を狙う。
風間の出身は山梨県の甲州市。同郷である輿石(こしいし)重弘監督との縁もあり、秋田の私立校「ノースアジア大明桜」に進学した。校名は昨年から改称され、前身は「秋田経法大付」。同校の最高成績は1989年夏、1年生左腕の中川申也(元阪神)を擁して勝ち上がった甲子園ベスト4だ。
秋田といえば、金足農の快進撃が記憶に新しい。2018年夏、エース吉田輝星(日本ハム)を中心に県立農業高校が強豪私学を次々と倒して準優勝。全国的に大フィーバーを巻き起こした。当時、中学3年だった風間は「吉田投手みたいになりたい」と甲子園への思いを強くした。
高校に入って急成長し、最速を20キロ以上アップさせ、満を持して甲子園へ乗り込む「みちのくの怪腕」。再び、秋田旋風なるか。
【今夏甲子園の主なルール】
・休養日増
3回戦終了後に休養日を新設。3回戦、準々決勝、準決勝の翌日が休養日となり、連戦を避ける日程に。
・ブラバン復活
今春センバツでは認められなかったブラスバンドの演奏が復活。各校50人以内がアルプス席で演奏できる。録音した音源を流すことも可能。
・開会式
今春センバツは初日の試合を行う6校のみだったが、今夏は49校すべてが参加。場内1周はしないなど内容は簡素化。
・球数制限
今春センバツから導入された「1人が1週間に500球以上投げてはならない」球数規制を継続。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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